11月2日(2020年)に投稿されたアパレルメーカーの公式ツイッターに「嫁」という表記があり、ネット上で不適切な表現だと多くの指摘がなされた。ツイートに書かれていたのは、
「ところで、明日は休日ですね!皆さんは何します!?私は、嫁から『とりあえずこれを読め』と漫画を全巻渡されたので読みます」
という内容。メーカー側は、その2日後に「『妻』とするところを『嫁』としてしまい、不適切な表現になった」と訂正し謝罪した。
これに対し、選択的夫婦別姓・全国陳情アクションの井田奈穂さんは「女性蔑視につながる」と繰り返し批判している。井田さんは2つの理由から「"嫁"は不適切」として、「まず、『嫁』は両親から見た『息子の妻』であり、夫が妻を嫁と呼ぶのは間違っている。そして、『嫁』は『家の女』と書くように、家の中に外から入ってきた人を表す言葉で、女性の地位が低い家制度の時代を想起させる言葉で差別的」と指摘した。
各自治体のガイドラインでも「嫁は避けるべき表現」
男女に関する言葉については各自治体でガイドラインが策定されており、20以上の自治体で「嫁は避けるべき表現」と明記され、「妻・配偶者・パートナーが好ましい」としている。また男性のことは「主人ではなく、夫・配偶者・パートナー」だそうだ。
番組でアンケートを取ると、夫に自分のことを「嫁」と言われることは嫌と考えるのが100人中24人で、嫌じゃないは76人。嫌とした人は「上から目線」「夫の所有物みたいな感じがする」と、その理由を述べている。
キャスターの立川志らく「私は家では『ママ』と呼んでいる。でも、メディアに出るときは『カミさん』と言う」
フリーアナの中村仁美「うちも外ではカミさんと呼ばれている」
ロンブー田村淳は「オレは『嫁さん』と呼んでいるけど、差別のつもりで使ってない」
志らくが「吉本の芸人さんは『嫁』っていうよね」と反応すると、淳は「あー、そうかも」と納得した様子。
志らくはさらに「家庭でどう呼び合ってもいいが、企業が『嫁』とするのはおかしい。でも、このアパレルメーカーのツイートは『ヨメから読めと言われた』というシャレだと思う」と落語家ならではの指摘。
東大卒クイズ王の伊沢拓司によると、「嫁」の言葉の由来は「良い女(め)から良女(よめ)」。もともと「息子の妻」を意味する言葉だったが、平安時代ごろから自分の妻を嫁と呼ぶようになったとされているという。