タレントの成沢真弥(篠原真衣)が新築一戸建て住宅の一室で仰向けに倒れて死んでいるのを、婚約者の織江雄吾(小堀正博)が発見した。2人は翌週に籍を入れる予定で、この日の夕方、新居で落ちあう約束をしていた。成沢は一足先にやって来て掃除をしているところを襲われたようだ。
その日、久しぶりに休みを取っていた京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコ(沢口靖子)が遅れて現場に到着し、「いっぱい寝て、寝だめもしておきました」と挨拶すると、いきなり中年の女から「それはよくないわ」と注意される。女は、知らせを聞いて駆け付けてきた雄吾の母・織江美香子(杉田かおる)だった。美香子は『眠り』に悩む人々にアドバイスする睡眠プランナーで、『眠り姫枕』という商品をプロデュースして大ヒットさせた有名人だ。
被害者の首から検出されたのはアルパカの糸の繊維だった
榊が到着する前、所轄署のベテラン刑事・殿村豊(浜田学)が代行した検視によれば、死亡推定時刻は午後3時前後、死因は絞殺だ。その時刻、美香子は社内で仕事中、雄吾は新幹線で東京出張から戻る途中で、2人ともアリバイがあった。
科捜研の成沢の着衣を調べていた榊は、成沢の着衣に一粒の小豆が付着しているのを発見する。また、成沢の首を絞めた凶器は、店舗でのPOPディスプレーや釣り糸などに使われる幅1ミリほどのテグスのようなものと判明し、成沢の首からは南米大陸原産の家畜アルパカの糸の繊維片が検出された。榊は小豆とアルパカ糸の関係に疑問を抱く。
そんな中、成沢が先週、同じ芸能事務所に所属するタレントの卵・藤木蕾(松田るか)を怒鳴りつけていたという目撃情報が入った。藤木は織江美香子の紹介で成沢の付き人をしており、事件当日も新居にカーテンを取り付けるのを手伝っていた。しかし、藤木は取り調べに、取り付け作業は午後2時には終わり、死亡推定時刻の3時ごろにはファミリーレストランにいたとアリバイを証言する。そして、藤木は榊らが事情を聴いている最中に突然、深い眠りに落ちてしまった。
成沢の死に『眠り姫枕』が関係しているとにらんだ榊は、枕の中身の成分を調べ始める。そして、ある偽装工作に気づく。(よる8時放送)
寒山