NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第31話が8日(2020年11月)放送され、越前の朝倉制圧に向かった織田信長が浅井長政の裏切りで絶体絶命となり、金ヶ崎から撤退するという歴史上の「金ヶ崎の退(の)き口」を描いた。
ドラマでは、なお攻め込もうとする信長(染谷将太)を明智光秀(長谷川博己)が「織田信長はいま死んではならない、逃げるべし」と食い止めるシーンや、木下藤吉郎(佐々木蔵之介)が涙ながらに殿(しんがり)を務めさせてほしいと懇願するシーンなど、キャストの演技に迫力があり、ネットには「見応えがあった」「久しぶりに面白いと思った」との感想が相次いだ。スポーツ各紙によると、この回の視聴率は13.8%で、前回から1.9ポイント上昇した(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。
「コロナで撮影規制?」「迫力シーン見たかった」
ただ、藤吉郎や徳川家康、光秀らが死に物狂いで務めたはずの殿(しんがり=撤退する戦線の最後尾で、襲ってくる敵を防ぐ役)の戦う場面は数分しかなく、「コロナで撮影できなかったのか」「迫力あるシーンを見たかった」など、寂しがる声も多かった。
「撮影制約あるのだろうか、屋内の場面ばかりで臨場感に欠ける。長良川の合戦みたいのがほしい。大河にはやっぱり馬の場面ないと」
「9000の兵も、実感なかった。 きっと、戦(いくさ)ってもっと大変なんですよね。 信長の怒りは伝わりましたが...。 やはりソーシャルディスタンスしなきゃいけないから大勢の戦シーンはあきらめたんでしょうかね。さみしい」
「あいもかわらず戦のシ―ンは数秒だったし、やはりコロナで斎藤道三と織田信秀の戦いのような迫力満点の戦のシ―ンは無理なようだ。しかし信長は、よく家臣でもない光秀にしんがりを、任せたな。違和感ありありだよ」
「十兵衛と殿を申し出た藤吉郎が共に命がけの戦いとなった。鉄砲を撃つ十兵衛の場面が出てお終い、後は無事に。逃げ延びた二人の会話で最後は二手に別れ戻って来られたとの状況説明もあっさりしたものだった。どのようにして敵を防ぎ、欺いて逃げて来られたのか興味のあるところ。今回の山場であるはずが、あれだけですか? がっかりさせられた」
鶴太郎には「『顔芸』の演技過剰」「自分に酔っているのでは?」
一方、キャストの中で、室町幕府で光秀と対立する摂津晴門を演じる片岡鶴太郎の悪役ぶりが、「怪演」と話題だ。もったいぶったセリフ回しと「顔芸」が、TBS「半沢直樹」の歌舞伎役者たちの演技とダブり、「やりすぎ」との声も。
「憎まれ役を強調したいのだろうが、これも演技過剰で、これぐらいやらないと視聴者に響かないと思っているのだろうか」
「半沢気取りで演技をしている爺さん達の演技で少し冷めてしまう」
「鶴太郎さん、どうにかなりませんか。ご自身は怪演と思い、酔ってるんですかね。周りが気の毒です。まぁ、それでも今迄よりは見応えのある回だった。いいぞその調子でいけ!と今後に期待も持てました」
こうした多数の声は「大河」への期待があるからこそとも言えるのか。(TVウォッチ編集部)