現在、衆議院・参議院合わせて203台の公用車が使用され、年間20億円を超える税金が投入されている。これは妥当なのかどうか、「グッとラック」が疑問を投じた。
公用車はどのように議員たちに割り当てられるのか。その内訳は大きく3つに分かれる。まずは衆参両院のトップである議長と副議長、さらに元議長や前議長。2つ目は議員たちが所属する会派だ。例えば衆議院では自由民主党を中心とした会派や立憲民主党や社民党が参加する会派など、5つの会派に所属している議員の数に合わせて支給される。3つ目は国会内に17個ある常任委員会や特別委員会などの委員長や要職など。
日本維新の会の東徹参議院議員は、このシステム自体に問題があると指摘する。「年間全く開かれない委員会もあるんです。その委員長までにも自動的に公用車が支給される」と言うのだ。
専門家「権力の象徴、議員特権を手放そうとしないんです」
東議員は10月22日(2020年)の議員運営委員会でも「経費を削減すべきだ」と訴えた。しかし全くと言ってよいほど賛同は得られなかった。「車についてはどこの会派も黙っています。みんな車が欲しいんですよ」と話す。
また、日本大学法学部で政治学を研究する浅野一弘教授は「公用車を使うそもそもの目的が見失われている」と指摘する。もともとは戦後の交通機関が発達していない時代に、議員が支障なく移動し議会を運営できるようにするために支給されたものだったが、交通機関が発達した現在では、その必要性は薄れ、形式的に残っているにすぎないと浅野教授は言う。
「結局は、自分たちは偉いんだと。黒塗りの車に乗ることによって、偉さを示している。権力の象徴として公用車を手放そうとしないんです。議員特権そのものです」と浅野教授は話す。
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