大接戦を繰り広げた米大統領選は現地時間のおととい7日(2020年11月)、ペンシルバニア州で勝利した民主党のバイデン氏が当選を確実にした。バイデン氏は支持者らを前に結束を訴える演説をし、政権移行に向けて新型コロナウイルス問題に対応するタスクフォースを立ち上げるなど着々と動き始めているが、一方の共和党のトランプ大統領はといえば、連日ゴルフ三昧。ツイッターでは相変わらず「不正があった」「いつからメディアが次の大統領を決めるようになったんだ?」などと主張している。
トランプ氏のメラニア夫人も自身のツイッターに「合法的な票のみが集計されるべき」と投稿しているが、現地メディアは、「メラニア夫人が敗北を認めるよう大統領に促している」「(娘婿の)クシュナー上級顧問がトランプ氏に選挙結果を受け入れるよう迫った」などと報じており、情報は錯綜している。
下院での決選投票でも数は足りない...八方ふさがりだ
トランプ氏は現在、「郵便投票は問題がある」「票の再集計を」と訴えて各地で裁判を起こしている。しかし、アメリカ政治に詳しい上智大の前嶋和弘教授は「どう考えてもいちゃもんに近いものばかり」とバッサリ。制度上は、州議会による選挙人の決定や、来年1月に各州の代表による「下院での決戦投票」という"ウルトラC"も残されてはいるが、「それでも数は足りない。郵便投票の問題や再集計を願って訴えるしかないようですが、なかなか難しい。八方ふさがりです」。
司会の加藤浩次「トランプ大統領は『不正があった』『戦うんだ』と支持者に訴えており、このままでは敗北宣言できないのではないでしょうか」
モーリー・ロバートソン(国際ジャーナリスト)「最後まで敗北宣言せずに、来年1月20日に強制退去に近い形でホワイトハウスを追い出されるというシナリオもあると思います。ホワイトハウスを出て、バイデン氏が大統領に就任した後も『本当の大統領は私だ』と言い続けることは理論上は可能です」
前嶋教授「トランプ大統領はこの後、保守系のメディアを新たに作って、2024年の次の大統領選を目指して今の支持者を固めていく可能性もあります」