伊藤健太郎は裕福な家庭で過保護に育ったようだ。14歳でモデルを始め、2歳年上の彼女が下積み時代を支えた。しかし彼女に暴力をふるい、猫の首まで絞めた。彼に群がるのは"金のなる木"と甘やかす業界関係者ばかりになった。伊藤には酷だが、これを機に10年ぐらい芸能界から離れ、肉体労働でもいい、社会勉強をしたらどうか。今のままでは人間としてダメになってしまうと思う。

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ショーン・コネリーが亡くなった。私は『アンタッチャブル』の老警官と『小説家を見つけたら』の小説家が好きだった。

ショーン・コネリー主演『小説家を見つけたら』(AmazonDVD)
ショーン・コネリー主演『小説家を見つけたら』(AmazonDVD)

   ところで、ショーン・コネリーが亡くなってしまった。享年90。カリブ海のバハマで過ごしていたようだが、晩年は認知症気味だったという。007シリーズの第1作『ドクター・ノオ』が公開されたのは1960年代初め。私は高校生だった。ボンドのカッコよさと、ボンドガールのセクシーなこと、それにど派手なクルマとスピード感。男の欲望のすべてが詰まっている平凡パンチの映画版だった。

   役者としてのコネリーでは、『アンタッチャブル』の老警官が見事。存在感がありすぎて、ケヴィン・コスナーやデ・ニーロが霞んでいた。私は『小説家を見つけたら』が好きだ。1作だけ書いて姿を消した小説家のコネリーと黒人の若者の友情物語だが、小説作法まで教えてくれる傑作である。

   先夜、『ドクター・ノオ』を見てみたが、少しも古びていなかった。ショーン・コネリーのボンドは永遠である。

   さて、11月29日に行われる「ジャパンカップ」で、無敗の3冠馬、デアリングタクトとコントレイルが対決することが決まった。これにGⅠ8勝馬のアーモンドアイが参戦するかもしれない。究極のドリームレースである。新潮は、血統馬と雑草馬との最終決戦だと書いている。

   コントレイルの父はディープインパクトで、名門ノースヒルズ出身だが、デアリングのほうは父・エピファネイア(父はシンボリクリスエス)で悪くはないが、生まれは北海道の小さな家族経営の牧場で、1年目は競りで買い手がつかず、翌年は値がついたが、1200万円だった。

   昨今、ディープの仔なら億の値がつくのもある中では、安いほうだろう。超エリートで金持ちボンボンと田舎出の女の仔という図か。だが、私はデアリングのほうが強いと思っている。中団の位置から最速の上りで勝ち切るレースっぷりはほれぼれする。

   コントレイルは距離の壁がある。アーモンドアイと同じように2000mまでならいいが、2400mという距離が心配だ。それに菊花賞馬はJCを勝てないというジンクスも気になる。アーモンドが出てくれば、3頭立てのレースにすればいい。まったく不利のない少頭数で東京競馬場の直線を駆け抜ける姿が見たいと思うのだが。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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