ショーン・コネリーが亡くなった。私は『アンタッチャブル』の老警官と『小説家を見つけたら』の小説家が好きだった。
ところで、ショーン・コネリーが亡くなってしまった。享年90。カリブ海のバハマで過ごしていたようだが、晩年は認知症気味だったという。007シリーズの第1作『ドクター・ノオ』が公開されたのは1960年代初め。私は高校生だった。ボンドのカッコよさと、ボンドガールのセクシーなこと、それにど派手なクルマとスピード感。男の欲望のすべてが詰まっている平凡パンチの映画版だった。
役者としてのコネリーでは、『アンタッチャブル』の老警官が見事。存在感がありすぎて、ケヴィン・コスナーやデ・ニーロが霞んでいた。私は『小説家を見つけたら』が好きだ。1作だけ書いて姿を消した小説家のコネリーと黒人の若者の友情物語だが、小説作法まで教えてくれる傑作である。
先夜、『ドクター・ノオ』を見てみたが、少しも古びていなかった。ショーン・コネリーのボンドは永遠である。
さて、11月29日に行われる「ジャパンカップ」で、無敗の3冠馬、デアリングタクトとコントレイルが対決することが決まった。これにGⅠ8勝馬のアーモンドアイが参戦するかもしれない。究極のドリームレースである。新潮は、血統馬と雑草馬との最終決戦だと書いている。
コントレイルの父はディープインパクトで、名門ノースヒルズ出身だが、デアリングのほうは父・エピファネイア(父はシンボリクリスエス)で悪くはないが、生まれは北海道の小さな家族経営の牧場で、1年目は競りで買い手がつかず、翌年は値がついたが、1200万円だった。
昨今、ディープの仔なら億の値がつくのもある中では、安いほうだろう。超エリートで金持ちボンボンと田舎出の女の仔という図か。だが、私はデアリングのほうが強いと思っている。中団の位置から最速の上りで勝ち切るレースっぷりはほれぼれする。
コントレイルは距離の壁がある。アーモンドアイと同じように2000mまでならいいが、2400mという距離が心配だ。それに菊花賞馬はJCを勝てないというジンクスも気になる。アーモンドが出てくれば、3頭立てのレースにすればいい。まったく不利のない少頭数で東京競馬場の直線を駆け抜ける姿が見たいと思うのだが。(文中敬称略)