女子大生のファッションバイブルとして親しまれ、45年にわたり流行を生み出してきた雑誌「JJ」(ジェイ・ジェイ、光文社)が、年内で月刊誌の歴史に幕を下ろすことになった。今年(2020年)12月23日号以降は、不定期刊行となる。「JJ」は女性週刊誌「女性自身」の別冊としてスタート、誌名も「女性自身」の頭文字をとって名付けられた。これまでニュートラやハマトラなどのトレンドを生み出した。
表紙を飾った元専属モデルの女優・賀来千香子は「ずっと『JJ』のファンで、読者モデルに選ばれたときは信じられない思いでした。その時の高揚感は忘れませんね。私にとっては母校のような存在で、青春の1ページでした。寂しいですね」と別れを惜しむ。
TBS近藤夏子アナは母娘2代のJJモデルだった
実はTBS2年目女性アナの近藤夏子も元JJモデル。「きっかけは高3の時に祖母の家で古い『JJ』を見たこと。祖母に『お母さんが出ているんだよ』と言われたから」と話す。近藤アナの母は1987年から専属モデルを務めていた。
発行元の光文社は「ターゲットとなる20代女性を取り巻く環境が大きく様変わりをしたため」と話す。元編集長で跡見学園女子大学の富川淳子教授は「女子学生は紙媒体よりもウェブから情報を得ている割合が圧倒的」と語る。
街頭で若い女性の話を聞くと、イマドキ女子には3大ファッションバイブルがある。
その1はインスタグラム。たとえば、インスタグラマーの「プチプラのあや」は、お手頃価格アイテムを使用したコーディネートを発信し、フォロワー数約70万人。プロデュースするアイテムが「しまむら」で定期的に販売されると、売り上げは毎回1億円超えするという。
ファッションバイブルその2「#ootd」。これは「アウトフィット・オブ・ザ・デイ(今日の服装)」の意味で、世界中から数億件の投稿がある。その3はユーチューバー。チャンネル登録者数54万人のユーチューバー「ひよん」は、デート服コーデを紹介し大絶賛されている。
若者のファッション事情は大きく変化している。購入スタイルは「買いに行く」からSNSでネット注文へ、憧れは「読者モデル」から「インフルエンサー」へ、おしゃれは「一様化」から「多様化」へと移り変わった。
俳優の上地雄輔「コロナの影響もあり、雑誌ではなく携帯で購入する人が増えたのかも」
モデルでタレントのアンミカ「男受けするコンサバファッションの代表で、私も参考にしていた。スクラップもしていたが、それができるのが紙媒体の良さ。読者モデルから話題になった人もたくさんいた。残念」
YouTube芸人のフワちゃんが「『JJ』のファッションは真似していた」と言うと、ロンブー田村淳から「『JJ』からそこに到達するの?」とツッコミを入れられて、スタジオ内は笑いに包まれた。