現代によると、将来、トヨタの売り上げが5分の1になり、30万人の雇用が失われる。電気自動車テスラなどの躍進による影響だ。
現代から1本。近い将来、トヨタの売り上げが5分の1になり、30万人の雇用が失われるという特集を組んでいる。自動車や家電などに搭載される小型モーターで世界トップシェアの日本電産の創業者である、永守重信会長がジャーナリストの井上久男にこういったという。
「将来的に電気自動車(EV)の価格は5分の1になるでしょう。単純計算すれば、自動車メーカーの売上高が5分の1になることも十分あり得るということです」
三井住友銀行が試算したところによると、EVの車両コストと5年間の維持費を加えた費用は、2017年度の326万円から2030年度には256万円に下がるという。電気自動車の新興勢力テスラのイーロン・マスクCEOは、ガソリン車よりも安いEVを開発するといって、2023年頃には2万5000ドル(約260万円)の安価なものを発売する計画を発表している。
今年7月には、テスラの時価株式総額がトヨタを上回った。そのテスラでは、
「車体後部の一部を単一の大きな型を使って一括で造っている。既存の自動車メーカーでは見たことのない製造ラインだ。これで通常なら70部品必要なところが1部品に減った。車体重量は30%減り、コストも大きく削減できる」(大手自動車メーカーの技術者)
日本電産は「トラクションモーターシステム」を核に、ステアリング、ブレーキなど自動運転にも関わる幅広い分野に領域を広げ、EVの基本骨格となる「プラットフォーム(車台)」を提供することを目指しているそうである。
まさに自動車が「走るスマホ」になり、値段も下がるが、従業員数も減っていくことは間違いない。今走っている多くの自動車がEV車に取って代わられる時、日本にはどんな産業が残るのだろうか。(文中敬称略)