「アメリカ大統領選挙の投票が間もなく終わります。開票結果と最新情勢を速報でお伝えします」――司会の羽鳥慎一が勢い込んで番組を始めた。「モーニングショー」は、最も早く開票が始まる大票田のフロリダの結果次第で大統領選の勝敗が見えると、ここに注目ポイントを絞っていた。バイデンがとれば大統領選はバイデンの勝ち、トランプがとれば再選の可能性が出てくるからだ。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)も「まずは、フロリダですよね」と言い、アシスタントの斎藤ちはるアナは「バイデン候補はフロリダで勝てたら私の勝ちだと述べ、フロリダ州がカギだという見方を述べました」と伝える。番組としては、フロリダの開票速報を受けて、世界で最初に「バイデン当確」を打とうと手ぐすねを引いていたのだ。
「あと10分」「10分以内に」カウントダウンもダメだった...
羽鳥が「9時半ごろにわかるんじゃないかということです」と引っ張り、その後も「あと10分ちょっとですね」「10分以内に」とカウントダウンが始まった。そして、9時31分。バイデン49%、トランプ51%とトランプ優勢の速報が入る。予想以上の接戦で、まったく予断を許さない。9時48分になるとバイデン50%、トランプ49%と逆転したが、直後に50%ずつで並んでしまう。これでは、フロリダの「勝敗」の予想も付かない。
羽鳥は「番組中でもころころ変わっています」と焦りはじめ、解説ゲストの国際教養大大学院の小西克哉・客員教授は「まあ、バイデンがいま取ったら、ゲームオーバーな雰囲気になっちゃうし...」と負け惜しみ。玉川は「このまま接戦でいくじゃないですかね」とあきらめ顔だ。
結局、エンディングまでにフロリダの結果は決まらず、「このあとの『大下容子ワイド!スクランブル』で速報をつづけます」(羽鳥)ということになってしまった。その「ワイド!スクランブル」にもフロリダの結果はなかなか入ってこない。米国政治・選挙のプロも驚く大接戦で、テレビ朝日の「世界一早い当確」狙いはうまくいかなかった。