任命されなかった学者に対する誹謗中傷がネットで拡散
任命拒否と学術会議のあり方の議論は別の問題であり「論点のすり替え」との指摘もある。政治部官邸キャップの長内一郎記者は「人事だから説明できないという菅首相の言葉がわかりにくいことは否めない。人事より先に学術会議のあり方を見直す方針を示す方が理解を得られたと思う」と見る。
任命されなかった1人、松宮孝明・立命館大学大学院教授には、この問題が表面化したころからSNSに中国が世界の科学者を集める「千人計画」に協力するなといったメッセージがしきりに届き始めた。「千人計画なんて身に覚えがない。デマを信じた人がかわるがわる書き込むのは怖いことです」
誹謗中傷は、指導を受ける学生にまで及ぶ恐れもあり、研究費の削減などを恐れての学問の萎縮や自主規制・政府や政治家の意向忖度(そんたく)も懸念される。政府が任命拒否を打ち出した段階から、すでに大きな影響が広がりつつある。
※NHKクローズアップ現代+(2020年10月29日放送「学術会議をめぐり何が?」)
文
あっちゃん