アメリカ大統領選挙は来週11月3日(2020年)に投票が行われるが、開票が始まるのは日本時間で4日午前8時ころからで、朝のワイドショーはちょうど放送時間に入ると、開票速報の準備を急ぐ。けさ30日の「モーニングショー」も1時間かけて、結果予想や劣勢のトランプ大統領の仰天逆転作戦を解説した。
29日時点の世論調査では、バイデン支持51・3%、トランプ支持43・6%と差は広がっていて、選挙人の過半数(270人)以上を獲得したほうが勝利だが、バイデン232、トランプ125、接戦181で、すでに流れは決まってきた。
国際教養大学大学院の小西克哉・客員教授はこう解説する。「共和党の大票田のテキサスまで接戦州になっていて、これはいかにトランプがヤバいかという象徴です。もはやトランプの猛追なんていうこともないでしょう」
なるほど、それで最高裁判事人事を急いだのか!
ところが、トランプ側はウルトラCをいくつも隠していて、11月3日の投票で決まらない可能性があるという。ウルトラCの1つは、郵便投票の集計打ち切りだ。バイデン支持者の53%は郵便投票で、トランプ支持者は57%が投票所に行くとしている。そして、開票は投票所の分から始まるので、トランプは自分がリードしているうちに勝利宣言して、バイデン票の多い郵便投票の開票を途中で止めてしまうのではないかというのだ。当然、バイデン側は裁判所に訴えるが、連邦最高裁にはトランプが押し込んだ保守系のエイミー・バレット判事もいて、却下されるというシナリオである。
ウルトラCの2つめはごね得。小西教授は「負けたトランプは選挙に不正があったと騒いで、共和党の強い州の知事たちに選挙の確定値を出させないかもしれない。そうなると、大統領選びの次の手続きの12月14日の選挙人による選挙に進めなくなってしまいます。トランプは(次の大統領は決まっていないと)居座るかもしれないですね」
来年1月20日の大統領就任までに決まらない場合は、連邦下院で選出する。これがウルトラCの3つめだ。大統領選と同時に行われる下院選挙では民主党が過半数を確保する見通しだが、大統領選出投票は各州1票ずつで、共和党が半数以上の28州を押さえている。トランプが選出される可能性が出てくるのだ。
小西教授「すべては4日の開票で、バイデンが270を早々に取れるかどうかが注目ですね」
日本でこれほど話題になるアメリカ大統領選挙も初めてだろう。