どうなる「島忠」争奪戦?DCMと経営統合で合意したのに「後出し」ニトリが高額の公開買い付けで参戦!別のホワイトナイトが現れるか

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   ホームセンター「島忠」に対して、同業界最大手の「DCM」が経営統合に同意、株式の公開買い付けを実施中だったが、「後出しじゃんけん」の形で、家具インテリア業界トップの「ニトリ・ホールディングス」が29日(2020年10月)、島忠の買収に名乗りをあげた。

   ニトリの似鳥明雄会長は会見で、「島忠さんと共存共栄していくために経営統合をご提案する。TOB=株式公開買い付けを実施していく予定だ」と述べた。さらに「島忠さんは、130年間、日本の家具業界を支えてくれた。心から尊敬・敬服する会社であります。パートナーにならせていただきたい」とも。

   しかし、すでにDCMは今月5日から、1株4200円でTOBを開始している。これに対しニトリは、1株5500円での買い付けを発表したのだ。これに対し島忠は、「当社の企業価値及び株主共同の利益の観点から慎重に検討する」と。

株式市場では「お買い得な企業」だった島忠

   島忠は、1890年に埼玉県春日部市で「島村?笥製造所」として創業。1978年にホームセンターに事業展開した。関東で56店舗、関西では4店舗を展開。経営コンサルタントの坂口孝則氏は、「堅実で売り上げは横ばいだった。株式市場では、実際に保有している資産より低く評価されていた。『お買い得な企業』だった」という。

   一方、DCMは北海道・東北・中部に各100店舗以上展開したが、関東では40店舗。ホームセンター市場の売上高は2000年以降横ばい状態だ。DCMは生き残りをかけ、空白地帯になっていた関東を地盤とする島忠の意向を打診。島忠側も、DCMのプライベートブランド商品の取り入れなどを期待したという。両者は今年6月から協議を重ね、今月2日に経営統合を発表した。

   「後出し」のニトリは、「島忠の店舗名はそのまま、経営体制や従業員の雇用条件変更の予定なし」など「友好的な買収」を強調する一方で、島忠が買収に応じなかった場合にもTOBを行う意向だ。一方でDCMは、ニトリの発表を受け「現時点でお答えすることはありません」。争奪戦の行方は?

   コンサルの坂口氏によると、「DCMは5500円を上回る値を出してくる必要がある。そうでなければ、別の友好的な買収・合併相手ホワイトナイトが現れるか」。

   買う側にとって、ホームセンターは「安くて便利」が一番!

文・栄

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