<エール>(第100話・10月30日金曜放送)
裕一は酒に溺れる久志を連れ、甲子園球場に立った。そして「この大会歌の詞は、夢を絶たれた人間だからこそ書けたんだ」と語りかけた

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   『夜更けの街』を歌い切った佐藤久志(山崎育三郎)は、立ち直ったかのように見えた。しかし数日後、古山裕一(窪田正孝)と村野鉄男(中村蒼)はまたもや部屋で泥酔している久志を見て、愕然とする。

   久志「『夜更けの街』を歌ったのは、博打で作った借金を返すためだよ」

   なんとしてでも久志を立ち直らせたい裕一は、全国高校野球選手権大会の大会歌の楽譜を渡した。翌日、楽譜を返しに裕一宅を訪れた久志に、音(二階堂ふみ)は言う。

   音「裕一さんは久志さんのこと、歌手として心から尊敬している。同情なんかじゃないよ」

「君なら歌える...君じゃなきゃダメなんだ」

   「今の僕に、こんな希望にあふれた歌は歌えない」と言う久志を、裕一は甲子園球場に連れて行った。

   裕一「この大会歌を作詞した人物は、足のケガで甲子園の夢を絶たれてしまったんだ。だからこそこの詞を生み出せた。君も絶望を知っている。その原因を作ったのは、戦時歌謡に君を誘った僕だ...」

   裕一は詫びると、まっすぐに久志の目を見た。

   裕一「君なら歌える。君じゃなきゃダメなんだ」

   久志はマウンドに歩き出すと、歌いだした。

   久志「♪雲はわき 光あふれて♪」

   『栄冠は君に輝く』が誕生した。(NHK総合あさ8時)

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