勝手に中村倫也が主演かと思っていたが、主演はどうやら森七菜のようだ。朝ドラ「エール」でヒロイン二階堂ふみ演じるヒロイン音の妹、めがねっ子の文学少女・梅役を演じ、おそらく数年後にはヒロインに選ばれるだろうなと思ったが、朝ドラヒロインの前に、民放連ドラのヒロインに決まった。
森七菜? 知らないなあ、という人には、「いつで~もスマイルし~よ~ね~♪」とオロナミンCのCMで元気に歌っている女子高生といえばわかるかもしれない。もっとも彼女の名前を一躍世に知らしめたのは、新海誠監督劇場アニメ「天気の子」のヒロイン、天野陽菜の声優として。昨年7月の公開だから、1年あまりで、ゴールデンの連ドラ主演というから出世が早い。それだけ実力があるということなのだろうが......。
御年19才の森に対して、相手役の中村倫也が33才。未成年に手を出せば「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に違反するのでは、と見ているこちらがドキドキしてしまうほどどこか幼さが残るが、それも見ているうちに気にならなくなった。
扱うスイーツ、そのうちコラボで売り出すに違いない
森演じる井上樹木(きき)は、地下アイドルグループに所属していたが、メジャーデビューを前に「噛み続けて味のしなくなったガム」扱いされてクビになったという過去がある。コンビニスイーツを食べ、「ききがじり」のアカウントでSNSに感想をあげるのを日課にし、的確な批評で知る人ぞ知る人存在。自身が働くコンビニ「ココエブリィ」のスイーツに対しても容赦なく批評する。
中村演じる「ココエブリィ」本社社長・浅羽拓実とは、最悪の出会い方をし、偶然が重なって、反発しながらも、惹かれていく......という恋愛ドラマの王道のようなストーリで、見ていて気恥ずかしくもなるが、それに、コンビニ再建に関連するお仕事ドラマの要素も加わり、扱うのはスイーツの話だが、ただの甘ったるいお菓子だけでないことはたしか、だ。
樹木の相棒として、ともにスイーツの開発をつとめた新谷誠(仲野太賀)や、浅羽の元カノ・北川里保(石橋静河)らがからんできて、複雑な恋愛模様も描かれ、2話から俄然面白くなってきた。美味しいコンビニスーツも登場するが、TBSのことだもの、そのうちコラボで売り出すに違いない。(火曜よる10時~)
大熊猫