未知のウィルスに政府・自治体も手探り状態
最新の研究によると、後遺症の症状としては、倦怠感や脱毛、微熱、肺の障害、せき、たん、手足のしびれがある。このほか、聴覚異常や嗅覚・味覚障害、うつ不安、全身の筋力低下、とくに重症者には計算・記憶など脳の機能低下も見られるという。自治医科大学の讃井將満氏は、「はっきりした原因が特定されていない部分があるが、肺の炎症が残っていたり、血栓症が手足のしびれなどに関係するのでは、とも考えられる」という。さらに、「長期化のおそれがあり、少なくとも2年は経過を見る必要がある」という。
PCR検査が受けられなかった人の後遺症について、ニッセイ基礎研究所の三原岳・主任研究員は、「未知のウイルスなので、政府も自治体も手探りでやってきているのが実態だ。後遺症についても、不確実な意思決定を強いられている点で難しい問題だ。一方で、放置もできない。データもエビデンス(証拠)も少ないなかでどう政策を作れば良いのか。実態把握が急がれる」という。