11年前に夫に駆け落ちされ、街の不動産屋でパートとして働くシングルマザー・石渡杏(木村佳乃)、小説家の夫を持つ大手食品メーカー・コジカフーズ宣伝部課長・林優子(吉田羊)、大手町に事務所を構えるエリート弁護士のセレブ妻・蒲原まり(仲里依紗)の3人は、有名進学校・麻蔵学園高校に息子を通わせる母親たちだ。3人は落第寸前の息子のことで学校に呼び出され、それがきっかけで親しくなった。
石渡杏はある日、夫・慎吾(渋川清彦)の駆け落ち相手、斉木由香(瀧内公美)の元夫・斉木巧(小泉孝太郎)から「ご主人は今、与論島にいます」と知らされた。杏と斉木は11年前、お互いに相手に逃げられた者同士、一度だけ一夜をともにしたことがあった。斉木は8年前に妻と正式に離婚し、勤めていた建設会社を辞め、今は週刊誌の編集部で働いている。
慎吾は由香と駆け落ちしたものの、今は「港洋一」と名乗って観光ガイドをしながら、別の女性と暮らしているという。さらに、慎吾は記憶喪失に陥っていると聞かされ、杏はあまりの意外な事実に茫然とする。
それぞれの恋の始まりに、子供たちは揺さぶられていくが...
そのころ、林優子はビルの停電で、部下の赤坂剛(磯村勇斗)と社内のエレベーターに閉じ込められていた。夫・シゲオ(矢作兼)を心配させまいと電話したり、赤坂に対して「息苦しくない? 酸欠じゃない?」などと気遣う優子に、赤坂は普段はクールな上司の違う一面を見て、好意を抱く。
そして、やがて優子も赤坂を意識し始め、「優子さんの欠点は、結婚してるってことです」と告白された優子は、誘われるままにラブホテルに入ってしまう。
また、夫・繁樹(玉置玲央)が部下の弁護士・山下のり子(森田望智)と不倫していることを知った蒲原まりは、チャリティーイベントで知り合った人気落語家・今昔亭丸太郎(阿部サダヲ)から猛烈にアタックされ、ドライブの誘いに渋々ながら応じた。その別れ際に丸太郎から突然キスされたまりは、そのことを思い出してはうっとりしてしまう自分に気づく。そんなとき、丸太郎から連絡が入り、デートを重ねる。
「これって、恋の始まりなのかな?」と少女のように浮かれるまりだったが、そのデート現場を最も知られたくない女に目撃されてしまった。
一方、11年ぶりの再会をきっかけに斉木と付き合うようになった杏は「前に進みたい」と、慎吾に会うために与論島に行く決意をする。
危険な恋に足を踏み入れた母親たちの秘めやかな変貌に、子供たちは揺さぶられることになる。(よる10時放送)
寒山