10月8日(2020年)、高級車を専門に扱うカーシェア会社が突然破産手続きを進めると発表した。残されたのは多額のローンを抱えたオーナーたちだが、彼らのほとんどは自分の車の保管場所すら知らない。修理業者が偶然預かっていた資料を手がかりに車を探してみると、そこには驚きの光景が広がっていた。
保管場所の敷地には車がすし詰め状態で放置され、中には大破した車も。そもそも車が見つからないケースもあり、とてもカーシェアが行われていたとは思えない惨状だ。
オーナーたちは「被害額3000万円です」「900万円のローンで3台買ったが2台が故障で1台が見つかっていない」「子どももいるので離婚の話になっている」などと肩を落とす。訪れたオーナー33人に話を聞くとローン総額は2億円超。全体の7割が20代、30代の若者世代だ。
おんぼろ車でも「実質負担ゼロ」で高く売りつけられていた
この会社は、大手レンタカー会社が24時間5万円で貸し出している車種を6800円で借りられるなど圧倒的な価格設定を行っていた。配布資料では500万円の車を購入した場合、7年間のリターンは234万円。ローンはカーシェア会社側が肩代わりし、実質負担ゼロ円で多額の報酬が得られるとして会員を集めていた。「会社がつぶれたらローンだけが残ってしまう」という心配には「車が実際にオーナーさん名義ですので、資産として考えてもらえれば」と説明していた。
しかし、カーシェア会社の販売記録によると、400万円で仕入れた車がオーナーに800万円で販売されるなど、総額5億円で仕入れた225台が10億円で販売されていた。
被害オーナーはローン契約をカーシェア会社に任せていたが、個人使用と偽ってローン契約していたため、契約違反としてローン会社から一括返済を求められるオーナーが相次いでいる。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「見てみると、事故車を買っていて最初から動いていない車がある。すべて稼働していないとスキームが回らない。詐欺にならないのか」
山口真由(ニューヨーク州弁護士、元財務官僚)「警察はまだ被害届を受理していないという話だった。『こういうつもりだったけどうまくいかなかった』といわれると(詐欺での立件は)難しい。しかし、刑事を背景にしてもらわないと全体像が解明されないし、和解など解決にも向かわない」
玉川徹「この手の被害はお年寄りが多かったが、カーシェアは新しい話で若い人が陥りやすい。500万の投資で7年234万というは年利5.63%。この時勢では高いが、10%20%ではないので『ある』と思わされた可能性も」
司会の羽鳥慎一「何回毎度もいうようですが、落ち着いて判断して気をつけるしかない」