ワクチン開発の悲報が相次いでいる。治験参加者が死亡しているのだ。接種したら「何が起きるかわからない」と専門家は心配する
今日(10月22日)も悲報が報じられた。「南米ブラジルの国家衛生監督庁(ANVISA)は21日、英オックスフォード大と英製薬大手アストラゼネカの新型コロナワクチンの治験参加者が死亡したと明らかにした」(朝日新聞DIGITAL10月22日11時07分)。死因は新型コロナの合併症で、接種したのはワクチンではなく偽薬だったのではないかといわれているそうだが、道遠しという感はぬぐえない。
現代で『史上最悪の感染症』などの著書があるミネソタ大学感染症研究・政策センター所長のマイケル・オスターホルム教授がこう話している。
「いまの新型コロナウイルスのワクチンについて、開発のスピードやそもそもの有効性など、いくつかの点で私は大きなリスクを感じています。現時点では、自分の家族にワクチンを打たせるという選択肢はありません」
日本政府は、来年前半までに全国民分のワクチン確保を目指すとして、すでにイギリスのアストラゼネカ社とアメリカのファイザー社から、それぞれ1億2000万回分のワクチンの提供を受けることで合意している。しかし、ワクチンと副反応は切っても切れない関係にあることはよく知られている。過去には拙速に開発、接種を進め、大規模な薬害を起こしたケースがあった。
1976年にアメリカ東部で豚インフルエンザに罹った患者が見つかった。ジェラルド・フォード大統領(当時)は、全国民2億人を対象にワクチンを接種すると発表して、半年あまりでワクチンの開発が行われ、10月から2か月間で約4000万人にワクチンが接種された。
しかし、接種から1ヵ月あまりで、ワクチンの副反応とみられる、筋力低下や、顔面、四肢、呼吸器官などに麻痺が起きるギラン・バレー症候群を発症する人が続出したのである。最終的に30人の命が失われた。
「日本国内でも、1960年代にポリオの流行を受けワクチンの緊急接種で、ポリオを発症してしまう人が続出。1980年代には急性脳症の副反応が出たことでインフルエンザワクチンの集団接種が中止になるなど、『ワクチン禍』は、枚挙に暇がない」(現代)
しかも、日本が提供を受けることが決まっている2社のワクチンはいずれも遺伝子ワクチンである。
「遺伝子ワクチンはこれまでのワクチンとは根本的に原理が異なります。簡単にいうと、新型コロナの遺伝子の一部を接種することで、人間の体内で新型コロナのタンパク質を作らせ、抗体を生み出そうという原理です。
いわば人間の体自身をワクチンの製造工場にしてしまう仕組みなのです。遺伝子ワクチンはこれまで承認された例はほとんどなく、未知の領域です。仕組み自体が未知のものなので、いきなり数億単位の人間に接種した場合、何が起きるのか、予測することができません」(国立遺伝学研究所発生遺伝学研究室・川上浩一教授)
現代によれば、
「本誌が取材した多くの医者や研究者は、『ワクチンの接種が始まったら、自分自身で打たざるを得ない』と話す。『接種が始まれば、病院全体で接種が義務づけられるでしょうから、それに背くのは難しいと思います。ただ、この状況で開発されたワクチンを自分の肉親に打たせようとは思いません』(感染症医)」
だが、「ワクチン接種が始まれば、ワクチンを打っていない人は、現在のマスクをせずに生活している人のように、『非国民』扱いを受けることも起こり得る」(現代)。一日でも早くコロナを抑え込んで、経済回復を急ぎ、東京オリンピックを何が何でも開催したい国の思惑で、副反応に苦しむ人を出してはいけない。