古山裕一(窪田正孝)は、医師・永田武(吉岡秀隆)が被爆者の治療に当たった場所で「どん底に大地あり」と書かれた紙を見つける。その時、鐘が鳴った。
裕一は鐘の音に誘われるように広場まで歩いて行った。それは人々が必死でがれきの下から掘り起こした鐘だった。裕一に同行していた永田の妹・ユリカ(中村ゆり)は「この音が鳴った時、生きる希望を得たんです」と裕一に伝えた。
生まれた曲『長崎の鐘』は人々の力になった
永田の投げかけた言葉の意味が分かった裕一は、永田のもとにかけつけた。
裕一「希望...ですか?」
永田「そうです。どん底まで落ちて大地を踏みしめ、共に頑張れる仲間がいて初めて、真の希望は生まれるのです」
永田の話を聞き、裕一は目が覚めたような気分だった。戦争が終わった今も、自分がやるべきことはただ1つ、人々を応援する歌を作り続けること。帰りの汽車の中で『長崎の鐘』の曲は出来上がった。裕一の希望で山藤太郎(柿澤勇人)が歌ったレコードは人びとに力を与え、大ヒットを記録した。
一方、就職先が見つからず、屋台のラーメン屋で働き始めた吟(松井玲奈)の夫、鏑木智彦(奥野瑛太)は、軍人時代の同期から貿易会社に誘われるが...。 (NHK総合あさ8時放送)