タイトルがちょっとアレなもので、敬遠する人も多いかもしれない。知り合いのドラマ好き20代男子と話をしていたら、「自分たちのドラマだと思ってみたらそっち系だったんでびっくりしました」なんてことを言っていた。「そっち系」というのはいわゆるBL系。「おっさんずラブ」からすっかり連ドラのジャンルとして定着した男×男のラブコメ的なものの流れを汲むものだ。
「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」という都市伝説を耳にしたサラリーマンの安達清(赤楚衛二)。童貞のまま30歳の朝を迎え、突如として「触れた人の心の声が聞こえる」力を手に入れた。通勤途中で聞こえてくるのは人々の心の声。やっとの思いで会社に到着。エレベーターの中で、社内随一のモテ男、同期の黒沢優一(町田啓太)に触れたところ、聞こえてきた心の声は、自分に対する好意を超えた恋心だった、というもの。
オープニングとエンディングの画像も必見だ
黒沢の本音を知ってしまった安達は、疑いつつも、触れるたびに聞こえてくる「心の声」に戸惑う。ピュアな30歳童貞と彼と一緒にいられるだけで幸せという健気な爽やかイケメンに、胸がキュンキュン。残業で終電を逃し、黒沢の家にお泊りすることになり、黒沢の本音の声に焦り、「相手の心が読めたところで、どうふるまったらいいかわからない。わかったら30年童貞やってないわー」とパニクる安達もカワイイし、安達が自宅に泊まりに来たことを「僥倖」、パジャマ姿を「眼福」などと喜ぶ黒沢もカワイイ。「傍にいられるなら、俺は同期でいい」という黒沢の切ない恋心にジーン。
こういってはなんだが、男×女のドラマでここまでピュアな純愛を描けるか、というと怪しいもので、あらゆるドラマでやり尽くした感もある。同じことでも、男×男ならまだ新鮮味もある。
男とか女とか関係なく、自分に向けられた行為を無下にするのはどうなんだ、と気づいた安達。帰ろうとしていた黒沢を追っかけ、食事に誘う......といったところで第2話が終了。次回が楽しみでならない。
赤楚も町田もこれを機に人気俳優になるに違いない。「おっさんずラブ」の田中圭や林遣都のように。オープニングのそれぞれの部屋で過ごす日常の姿と、2人で仲良く歩くエンディングの映像も必見。
因みに漫画原作で、ファンの間では「チェリまほ」と呼ぶそうだ。
(毎週木曜深夜1時~)
くろうさぎ