地方の自治体とPayPayなどキャッシュレス決済の企業が連携した、最大30%還元のキャンペーンが広がり、地域経済の活性化にひと役買っている。PayPayの場合、予定も含めて82自治体が参加している。
スッキリが取材した東京・墨田区のお好み焼き店では、ランチ時、スマホのPayPayで決済すると、500円の会計のうち30%の150円分のポイントが還元された。「あなたのまちを応援プロジェクト」として墨田区は3億円の予算を投じ、今月1カ月間キャンペーンを実施中だ。
店主は「最近になってキャッシュレス決済のお客さんが5倍以上に増えた」という。ポイント還元は3000円相当を上限として、期間中の累計で1万2000円相当まで可能だ。
墨田区の場合、対象は美容院や整体院など約2000店で、大型店やチェーン店は対象外だという。町田市では、12月から2カ月間、最大20%を還元する予定だが、大型店やチェーン店も対象となる見込みだ。「大型店に集客があれば中小店舗にも人が流れる可能性がある」と担当者は言う。
長野・松本市ではキャンペーンで売り上げ3.8倍にも
このほかにも、LINEPayは文京区と連携、11月中旬から個人商店などで10%を還元する。auPAYは今月末まで、東京・小平市の中小・小規模事業者の店で買い物をすると、最大30%を還元するキャンペーンを実施中だ。長野県松本市の場合、市内の店のキャッシュレス決済額で見ると、9月の16日間で約1億5300万円だったのが、翌日からの1カ月間で売り上げは3.8倍(同期間比に換算)に増え、「第2弾」のキャンペーンも考えているという。
キャスターの近藤春菜「自治体は地元経済を動かす場合に、スマホ決済というアイデアを企業側からもらい、消費者もこれで使って後に還元する、という良いサイクルができているな、と思う」
ロバート・キャンベル「ひとつの自治体のキャンペーンのなかで、ある業者だけ(の決済)が使えて、他の業者は使えないというのはおかしい」
ライブ配信サービス代表の前田裕二「キャッシュレスサービスを使い始める、という消費者側の心理的なハードルは、ものすごく大きかったから、この最初の一歩を踏み出した効果は大きい。お店に導入できたことも大きい」
いくつかの側面で、「大きな初めの一歩」が踏み出された。
文・栄