鐘木パルプコーポレーション、通称『カネパル』の健康管理室に勤務する産業医・大桜美々(波瑠)は、新型コロナウィルスの脅威の中、全社員1129人の健康を管理する忙しい日々を送っている。当初は『美人すぎる産業医』と評判だったが、新人看護師・八木原大輝(髙橋優斗)を引き連れ、マスクなし社員や手洗いの不備を見つけては厳しく注意する大桜は、今や陰で『健康管理室の独裁者』と呼ばれている。
学生時代から数多くの男と付き合ってきたが、男のアラを見つけては「ぶり大根」「ニラレバ」「スタミナ定食」などと食べ物に例えてはフッてきた。社会人になってからは「頑張るのは仕事だけで十分」と恋愛をサボってきたため、恋人もいないまま29歳を迎えようとしている。しかし、コロナ蔓延による自粛要請を受けてカネパルでもテレワークが導入され、「私はひとりでも大丈夫」と言っていた大桜にも心境の変化が訪れていた。
「レモン」の尿酸値が5・29だと知り、3人に特別健康診断を行う
そんなとき、非常勤の精神科医・富近ゆり(江口のりこ)から薦められたたオンラインゲーム上で、アカウント名「レモン」という人物と出会う。大桜は「草モト」のアカウント名で、SNS上で1日に何度か5分ずつ会話を交わしているうち、誰だか分からないまま「レモン」に恋をしてしまう。
ある日、「レモン」が送ってきた写真がカネパル本社の屋上から撮った風景だったことから、「レモン」がカネパルの社員らしいと分かった。そして、5か月がたった今も、「草モチ」と「レモン」とのSNS上だけのやり取りは続いている。その一方で、大桜は男性社員と話すたびに、もしやこの人が「レモン」では?と気を揉む毎日だ。
そんな中、大桜は「レモン」の尿酸値が5・29だと知り、社内の健康診断のデータの中からそれらしい人物を探す。その結果、浮上したのが、妻と別居中で子持ちの人事部長・朝鳴肇(及川光博)、しばしば大桜とトラブルを起こすやり手営業マン・岬恒雄(渡辺大)、ボンボン育ちの人事部社員・五文字順太郎(間宮祥太朗)の3人。よりによってこの3人は、大桜がそれぞれ「脂身だらけのトンカツ」「豚骨ラーメン」「カビがはえたビーフジャーキー」とあだ名を付け、毛嫌いしていた社員たちだった。
大桜は「レモン」を探すため、3人に特別健康診断を行い、「レモンは好きですか?」と質問したり、目の前で草モチの葉っぱを食べたりする。大桜はその後、「レモン」から「ありがとうございました。お元気で。」「さようなら」との別れの連絡を受けて落ち込む。だが、ある夜、「レモン」がいる場所を知った大桜はそこに駆けつけ、ついに「私が草モチです」と告白する。「レモン」の正体は果たして......。(よる10時放送)
寒山