Go Toイートを悪用してポイントを稼ぐ新手の「錬金術」が登場した。居酒屋チェーン「鳥貴族」で298円の一品だけ注文してポイントで差額分を稼ぐ「トリキの錬金術」に比べると、かなり悪質で、弁護士は犯罪になると警告している。
東京・文京区の飲食店オーナーはこう話す。「60代くらいの男性が一人でやってきて、予約をキャンセルにして、10名で来たことにしてくれないかというんです。お断りすると、『SNSで店の悪口を書くぞ』と脅すようなことを言い、タコブツを1皿取って帰っていきました」
弁護士「客は詐欺罪、飲食店は詐欺の共同正犯になる」
野上慎平アナ「Go Toイートでは、オンラインサイト(この場合は『食べログ』だった)で予約すると、ランチなら一人500円分、ディナーなら1000円分のポイントが付くわけですが、この男性は10人分に水増しさせて5000円分のポイントを稼ごうとしたのです。お店側は手数料として予約サイトに昼は1人100円、夜は200円払うことになっていて、男は10人分の手数料1000円を払うと言ったそうです。つまり、こうした仕組みをよく知っていて、5000円分から1000円を引いて4000円分を手にする算段だったんですね」
吉永みち子(ノンフィクション作家)「お店としては、ノーと言えばトラブルになるし、イエスと言ってしまうと悪いことをすることになっちゃいますよね」
野上「そうなんです。菅野朋子弁護士に聞きましたら、客は詐欺罪、飲食店は詐欺の共同正犯になって、ともに10年以下の懲役だそうです」
水増しを断られた男は数時間後に今度は夜の予約をして再び店に現れ、難癖を付け始めたので110番通報された。
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「このお店は断ったけど、同じケースで2000円払うといわれて応じたら、店側は1000円の手数料を払っても儲かってしまうんだよね」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「だから共犯ではなく、わかっていてやった共同正犯ということになるわけですよ」
野上「ポイント分を払っているのは、食べログでもお店でもありません。国が払っているのです(つまりわれわれの税金)。トリキ錬金術は違法ぎりぎりですが、こちらは明らかに犯罪です」
司会の羽鳥慎一「お店も気を付けたほうがいいですね」