動物病院の院長代理として勤務する獣医・手島伯朗(妻夫木聡)は「困っている美人には滅法弱い」と自認するダメ男だが、ある日、異父弟でIT企業経営者・矢神明人(染谷将太)の妻・矢神楓と名乗る妙齢の美女(吉高由里子)が病院に現れ、明人が行方不明になったから一緒に探してほしいと言う。失踪事件の背後には、資産30億円といわれる名門一族・矢神家の遺産相続をめぐる骨肉の争いが絡んでいるらしい。
伯朗の母親・禎子(斉藤由貴)は、伯朗の実の父親で画家・手島一清(R-指定)と死別した後、今まさに危篤状態にある矢神家の当主・矢神康治(栗原英雄)と再婚した。その康治と禎子の間に生まれたのが明人だ。
牧雄を突き落とした犯人はだれなのか、楓は信じられるのか...
楓は自分を矢神家の地下室に突き落として監禁しようとした康治の異母弟で脳科学者・矢神牧雄(池内万作)を「もっと価値のある遺産が分かった」と嘘をついて誘い出し、待ち合わせ場所に伯朗も呼んだ。牧雄が明人を誘拐したと考える楓は、牧雄から明人の居所を聞き出すという。
しかし、待ち合わせ場所に向かっていた牧雄は、到着する直前、何者かにエスカレーターから突き落とされた。駆けつけた救急隊員に応急処置をされる牧雄を見た楓は「彼は遺産を狙っている人間に襲われた」と断定し、伯朗と一緒に矢神家に急行する。この時間に屋敷にいない人物か帰宅したばかりの人物が、牧雄突き落としの犯人である可能性があるというわけだ。
2人が屋敷に到着すると、当主の妹・波恵(戸田恵子)とその異母妹・支倉祥子(安蘭けい)、祥子の夫で医師の支倉隆司(田口浩正)、看護師の永峰杏梨(福田麻貴)は在宅していた。外出中でアリバイがないのは、16年前に死んだ先代当主・康之介(栗田芳宏)の養子でレストラン経営者・矢神勇磨(ディーン・フジオカ)と、同じく康之介の養子で銀座のクラブママ・矢神佐代(麻生祐未)。さらに、車で戻ったばかりの使用人兼執事の君津光(結木滉星)も怪しい。
しかし、転落で意識不明の重体に陥った牧雄のスマホに楓の番号が残っていたため、祥子から「あんたが牧雄を殺そうとしたの?」と逆に疑われてしまう。
そんな中、小代に「次の段階に行きましょう」と言われた勇磨が、ついに動き出した。勇磨は伯朗に、楓のスマホを盗んで自分に渡してほしいと頼んできた。「どうするつもりだ?」と尋ねる伯朗に、勇磨は「彼女を追い詰めて正体を暴く」と答える。
楓を信じようとしながらも、時折、失踪した夫の行方を捜す妻とは思えない『違う顔』を見せる楓に違和感を抱く伯朗は、楓の正体を知りたいという誘惑に負けてしまうのだが......。(よる9時放送)
寒山