瀬戸大也が不倫で失ったものは大きかった。スポーツ界は大坂なおみを講師に招き、社会への目の向け方を話してもらうべきだ
さて、瀬戸大也が不倫で失ったものは、彼が考えていた以上に大きかったと思う。味の素やANAのCM契約解除は想定内だっただろうが、日本水連の「年内活動停止」というのは想定外だったのではないか。五輪内定というのはかろうじて残ったが、その東京オリンピックも開催されるかどうかは不透明だ。
新潮でスポーツジャーナリストの谷口源太郎が、「瀬戸選手に必要なのは、競技以外の部分で人生を見つめなおし、成長することだと思います」と言っている。だが、水泳以外の世界を知らないで育ってきた26の若者が、見つめなおせ、成長しろといわれても、どうしていいのかわからないだろう。
スポーツ界は、テニスの大坂なおみを講師に招き、どのようにして社会に目を向け、堂々と「おかしい」と主張できる人間になっていったのかを、選手たちに話してもらえばいいのではないか。加えれば、スポーツ界には真っ当なジャーナリズムがないことも、選手たちに社会人としての自覚が生まれない大きな要因ではないのか。