難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う女性の依頼を受け、薬物投与で殺害した事件から3か月。同じALSで闘病生活を送る当事者たちの声を聞いた

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「まさに生きるのか、諦めるのかという決断を、自分でしなければならないのがALSの過酷なところです」

   岡部さんは「まさに生きるのか、諦めるのかという決断です。それを自分でしなければならないのが、ALSの過酷なところです」と語る。

   患者や家族への支援はどうなっているのだろう。武田は「7割の当事者が人工呼吸器を付けないということですが、どんな思いを抱いていらっしゃるのでしょうか」と、取材したNHK京都放送局の小山志央里記者に聞く。「(家族に)迷惑をかけるとか、全身が動かないのにどうやって暮らしていけばいいのか、介護してくれる人がいないなどから、人工呼吸器を付けないようです」と報告した。

   美容師の宮川秀一さんは去年(2019年)夏、45歳の時にALSと判明、進行が早く、現在、目以外はほとんど動かせない。人工呼吸器を付けたが、24時間介護が必要となり、妻の明日香さんは睡眠時間1~2時間の日が続いた。「一緒に死んじゃってくれないかなと思う時もありました」と明日香さんは話す。

   そんな時に紹介されたのが、重度訪問介護の利用だった。週6日24時間の介護をしてくれる制度だ。ALSの母親を10年間介護してきた在宅介護支援NPO法人「さくら会」理事の川口有美子も「遠慮することなく、こうした介護サービスを使ったほうがいいですね」という。

   小山記者「重度訪問介護の制度で家族の負担を大きく減らすことができます。でも、地域格差があり、認知度も低く、なによりもヘルパーが不足していて、希望すれば利用できるという状況にありません」

   政治や行政がやるべきことははっきりしている。急げ!

NHKクローズアップ現代+(2020年10月14日放送「ALS 当事者たちの声」)

文   カズキ
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