とくダネ!街頭インタビュー「誘導尋問やねつ造と判断できない」。BPO放送人権委員会が見解。街頭インタビュー時の取材手法には注意促す

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   フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」の昨年8月の放送で、インタビューを受けた女性が「誘導尋問され発言をねつ造された」として放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てていた問題で、BPOの放送人権委員会は14日、「人権侵害、放送倫理上の問題があったとは判断できない」との見解を示した。

   審理したのは、とくダネ!の昨年8月30日の放送回で、東京都内の公園に大縄跳びを禁止する看板が立ったという話題を取り上げていた。

   番組では、近隣の受験生が大縄跳びをしながら歴史上の人物名などを暗唱していることに周辺住民から苦情が出ていることなどを紹介。その際、周辺住民の一人として女性がインタビューに答え、「本を読んでたりとか、集中して何かをやんなきゃいけない日だったりすると、ちょっとうるさいなと思って」などと話す場面が17秒にわたり放送された。

  • 「とくダネ!」(フジテレビの番組ホームページより)
    「とくダネ!」(フジテレビの番組ホームページより)
  • 「とくダネ!」(フジテレビの番組ホームページより)

「大多数の人たちはインタビュー取材には不慣れ」

   この場面について女性は、犬を連れて公園を散歩中、突然、若い女性に背後から声をかけられ、放送局名・番組名や取材の趣旨を告げられず、撮影許可を明示的に求められぬままインタビューを受けたとし、また大縄跳びは「一度も目撃したことがなく、理解に苦しむ内容」なのに「誘導尋問」され、あたかも迷惑しているかのような発言を「捏造」された、と主張。「懇意にしている学習塾の批判にもつながり、非常に憤慨している」として、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて、BPO放送と人権等権利に関する委員会に申立書を提出した。

   これについて同委員会は、承諾がなかったとまではいえず、また質問者が本意でない答えを強いる「誘導尋問」や「捏造」があったと断定はできないとした。また、取材交渉を含めたインタビューの手法とその編集方法についても、放送倫理上の問題があったと判断することはできない、とした。

   同委員会は、通行人が予期せず声をかけられる街頭インタビューでは、大多数の人たちはマス・メディアの取材・報道に不慣れだとして、取材者は放送局名・番組名をはじめ、質問の対象・趣旨などを取材 に際して可能な範囲で説明し、かつ撮影した映像等の実際の使用についても本人の意向を明確に確認しておくことが望ましい、と注意を促した。(TVウォッチ編集部)

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