今、GPSを悪用したストーカー行為が増えている、と番組が取り上げた。アイドルのiwamiさんは2年前、ある男性ファンと街中でたびたび出くわすことに不安を覚えた。ファンからプレゼントされたぬいぐるみのキーホルダーを調べると、中からGPSと思われる四角い機械を発見。捨てた後は男性と会うことはなくなったが、今も恐怖心から防犯ブザーを持ち歩く毎日だ。
50代の女性も、5年ほど前に被害に遭った。ある男性から告白され、バッグをプレゼントされた女性だが、その日から行く先々でその男性と鉢合わせるようになった。「運命なのかな」という気持ちは、徐々に不信感に変わっていった。自宅を教えていないのに「洗濯物まだ入れてないじゃん」などと明らかに家を見ていないと分からないことをメールしてくるようになった。不審に思い、もらったバッグをくまなく調べてみたら、中から黒くて四角い物が出てきた。女性はバッグを捨て、彼とも別れた。
弁護士「凄惨な事件が起きる前に法改正を!」
しかし、最高裁判所は7月(2020年)、別居中の妻の車に無断でGPSを取り付けた男がストーカー規制法違反に問われた裁判で、「違法ではない」と判決した。ストーカー規制法では「住居や勤務先の付近で相手を見張り、不安を覚えさせること」は違法だが、「GPSを付けて離れた場所から位置情報を得る行為は見張りに当たらない」という判断からだ。
髙橋知典弁護士は「今のストーカー規制法の表現だと、離れて監視していることは想定していないと最高裁は考えたんです。刑事罰は非常に厳格に決めないといけないので、解釈を広げることは許されていない。『規制するなら法律を作ってくれ』というのが最高裁の考え方です」と解説する。
髙橋弁護士「ストーカー規制法の歴史を見ると、すごく凄惨な事件が起きた後にだけ法改正がされてきた。GPSに関しては率先してどんどん法改正した方がいい。女性が被害に遭う事件に対し、この国の法律の作り方は『後から規制』で非常に遅い」
キャスターの立川志らく「小さい子どもが狙われる場合もある。これは早くなんとかしないとね」