古山裕一(窪田正孝)の慰問先はインパール作戦が展開されているビルマだった。同行していた洋画家の中井潤一(小松和重)は戦地の様子を自らの目で見たいと、志願して前線に向かう。それから2か月後、中井は変わり果てた姿で前線から戻り、地獄のような惨状を描いたスケッチを裕一に見せた。
ある日裕一は、新聞記者の大倉憲三(片桐仁)からビルマに恩師・藤堂清晴(森山直太朗)がいると聞く。駐屯地で再会した藤堂は裕一に「俺が死んだら、渡してくれ」と、妻・昌子(堀内敬子)に宛てた手紙を託す。
『ビルマ派遣軍の歌』を歌う慰問コンサートの本番直前、駐屯地を敵の狙撃兵が襲う。銃撃戦の中、藤堂は命を落とす。そしてその後まもなく、インパール作戦は中止された。9万人もの将兵が投入されたのに、生き残ったのはわずか1万数千人だった。
華が想いを寄せる予科練の少年・弘哉が戦死、裕一は後悔の念を抱く
帰国した裕一は、福島に行き昌子に手紙を渡す。そして音(二階堂ふみ)と華(古川琴音)を福島に残したまま、自分は東京で軍のために曲を作り続けた。
1945(昭和20)年8月15日、日本は敗戦した。
自分の影響で予科練に志願した少年、梅根弘哉(山時聡真)が亡くなったと知った裕一は、福島から戻った華にそのことを伝える。華は想いを寄せていた人の死を知り、無言で部屋を出ていく。裕一は「音楽で人を戦争に駆り立て、若者の命を奪うことが僕の役目だったのか」と、後悔の念にさいなまれる。(NHK総合あさ8時)