前代未聞だらけの米大統領選。トランプ感染と早期退院でますます混迷! 郵便投票めぐる混乱で、法廷闘争になる可能性も

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民主義の最後の砦の米国だが「どちらが勝っても分断は深まる」

   大統領選にはもう1つ、大きな危惧がある。投票が終わっても勝者が決まらないという事態になるのではないかという危惧だ。投票総数の3分の1にのぼるといわれる郵便投票による混乱が予想されているからだ。郵便投票をめぐっては両候補が激しく対立してきた。郵便投票の拡大を訴えてきた民主党は、支持者には投票率が低いマイノリティーや若者が多いため、郵便投票で投票率が上がれば有利になるという見方もある。しかし、大統領が任命した郵政公社のトップ、ディジョイ総裁が郵便投票を妨害するのではないかと批判されている。6月に総裁に就任したディジョイ氏は大統領の大口献金者。就任するや否や、赤字削減を理由に郵便物の仕分け機やポストを次々に撤去し、職員の残業時間も削減。そのため配達の遅れも頻発している。郵便投票は集計に時間がかかり、投票が終わっても長期間勝者が決まらない可能性もある。

   さらにトランプ大統領は先月下旬、新たな最高裁の判事に保守派のバレット氏を指名。バレットが議会で承認されれば、9人の最高裁判事の内訳は保守派が6人、リベラル派が3人と保守派が圧倒的多数となる。トランプ大統領が郵便投票の結果を待たずに勝利を宣言したり、状況次第で法廷闘争に持ち込んだりする可能性もあると専門家は指摘する。

   油井支局長は「法廷闘争は避けられないと懸念する人も増えている」として、「共和党、民主党ともに優秀な弁護士を全米から集めて、その準備を進めているといわれる。すでに郵便投票のルールをめぐって前哨戦ともいえる裁判が始まっており、大手メディアはあらゆる事態を想定して準備していると話している」と伝えた。

   中山教授は「どちらが勝っても分断が深まる可能性がある。民主主義の最後の砦の米国で選挙もできない、ディベートも低レベルとなると、民主主義の不安が高まっていく。なんとか米国はこの選挙を乗り切ってほしい」とコメントした。

文 バルバス

   ※NHKクローズアップ現代+(2020年10月6日放送「混とん アメリカ大統領選挙の行方」)

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