「あなたの無念な思い、合法的に復讐代行いたします!」――銀行員が『倍返し』する民放の人気ドラマが終わったと思ったら、今度は弁護士と詐欺師がタッグを組んで復讐を代行する『痛快でポップな復讐エンターテインメント』という触れ込みのドラマがNHKで始まる。最近のテレビ界は、どうやら「復讐」ばやりらしい。
東京都心にオフィスを構える一流弁護士事務所「アームストロング法律事務所」に所属する新人弁護士・白沢真実(浜辺美波)は、大手ゼネコン経営者のチャラい御曹司・財津宏樹(三浦涼介)から性的暴行を受けた被害者・綿貫依里子(白石糸)の案件を担当する。
「タリオ」はラテン語、「目には目を歯には歯を」の意味
綿貫は裁判に訴えたものの、相手の財力と権力により泣き寝入りを強いられた。インターネットで見つけた復讐代行業者にカネを払って財津への復讐を依頼したが、その業者は一向に復讐する気配がないという。そこで、白石が綿貫を使ってその業者を誘い出すと、現れたのは経営コンサルタントを名乗る詐欺師・黒岩賢介(岡田将生)だった。
黒岩は自分も財津の疑惑を追っているのだと言い、白沢に「俺とお前で財津宏樹を懲らしめてやろう」と持ちかける。世間知らずの上に正義感の強い白沢は、弁護士事務所を辞めて「復讐代行弁護士」となった。
かくして確かな法律知識を持つ元弁護士と悪知恵に長けた詐欺師という奇妙なコンビが誕生し、綿貫の無念を晴らす復讐劇の幕が切って落とされた。
一方、白沢の父親は巨大詐欺事件の首謀者と疑われて行方をくらましており、白沢は被害者の恨みを晴らしつつ、父親の事件の真相に迫っていく。
タイトルの「タリオ」は「同害報復刑」を意味するラテン語。被害者が受けたのと同種の害を加害者に加える処罰法(デジタル大辞泉より)で、分かりやすく言えば「目には目を、歯には歯を」だ。2人が財津に食らわせる「タリオ」とは......。
無理が通って道理が引っ込む世の中。金曜の夜はこのドラマを見て、スカッとした気分で週末を迎えてはいかが?(よる10時放送)
寒山