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菅が「オフレコ朝食会」を始める。元共同通信の人間を補佐官にし、今度は官邸記者たちをポチ化しようというのだ

   ところで9月29日の朝日新聞一面を見て驚いた。「暮らし変わる秋 10月から、最低賃金引き上げ・NHK値下げ...」大見出し。だが読んでみると、「酒税法の改正で、350ミリリットルあたりでビール(税額77円)が7円減税となり、割安な第3のビール(同28円)は逆に9・8円増税される」というのはいいが、「働く人の最低賃金は10月以降、40県で3~1円引き上げられる。全国の加重平均額は902円と、現在の901円から1円増える」

   おいおい、最低賃金が1円増えても暮らしは変わらないだろう。8時間働いて8円。月20日働いて160円だぜ。すき家の牛丼1杯食べられない。

   最低賃金は少なくとも時給1400円~1500円なくては普通の暮らしはできない。昨年は26円から29円引き上げられ、東京は1013円、神奈川は1011円と、1000円台を超えたのに、今年は1円かよ。朝日新聞はどういう意図があってこの記事を出したのか。

   10月2日と10日に分けて、菅首相が官邸記者クラブに加盟している記者を呼んで、朝食を食べながら「オフレコ懇談会」を催すそうだ。元共同通信の人間を補佐官にし、今度は官邸記者たちをポチ化しようというのだ。

   菅は、日本学術会議が新会員として推薦した中で、過去に政権に批判的だった6人を任命しなかった。菅のやり方は陰険だ。自分にすり寄るマスゴミには手厚くするが、批判する連中に対しては容赦ない。就任早々、こんなことを許していては、取り返しがつかないことになる。オフレコ懇談会にどの社が欠席するのか、注目したい。

三原じゅん子参院議員(本人の公式サイトより)
三原じゅん子参院議員(本人の公式サイトより)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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