いまや、問われているのは自民党の良識と公党としての責任である。このまま杉田水脈(みお)議員を居座らせるなら、菅義偉首相も女性に対して同様の考えだと思われても仕方あるまい。
「女性はいくらでもウソをつけますから」と、性暴力の被害者の言い分は虚偽が多いといわんばかりの発言をした杉田議員は、「言っていない」とすっとぼけていたが、おととい30日(2020年9月)に下村博文政調会長に呼び出されて注意を受け、ブログで発言したことだけは認めた。
しかし、謝罪とは程遠いものだった。「訂正します。事実と違っていたことをお詫びします」という内容で、何が事実と違うのかの説明もない。報道陣が詳しい話を聞こうとマイクを出しても、足早に車に乗り込み走り去った。街で聞くと、「ブログじゃなく、公共の場で言ってほしい」(20代男性)、「公の方なのだから、ちゃんと説明していただければと思いましたね」(40代女性)という声が多いのは、当然だろう。
アン ミカ「傷つく人への想像力がまったくない」
キャスターの立川志らく「女性はウソをつくなんてペロッと言う。これはレイプの被害者にかかってくるわけですよ。議員としてじゃなく、人としてダメですよ」
杉田議員の女性に対する暴論はこれが初めてではない。雑誌に「LGBT(性的マイノリティー)は生産性がない」と投稿、国会本会議で野党党首が夫婦別姓に論及すると、「だったら結婚しなくていい!」とヤジを飛ばしたこともある。メディアや国会で追及されても、そのたびに逃げ回り、自民党内で責任を問われることもなかった。
龍崎孝(流通経済大教授)「さすがに、これだけ度重なると、菅政権の支持率低下を防ぐためにも、注意をしたということでしょう」
スタジオでは「注意ぐらいで済ませるな」という声が一斉に上がった。志らくは「一発でレッド退場でしょ」といい、アン ミカ(モデル・タレント)は声を震わせた。「傷つく人への想像力が足りない発言を繰り返しているんですよね。そして、公の場で説明する立場なのに、毎回真意じゃないと釈明して、逃げ回るのは、公人としての意識が低い証拠ですよ」
メインコメンテーターの田村淳は「下村さんが怒ったぐらいじゃダメですよ。自民党が公認しているんですから」と、自民党に責任があると指摘した。金曜コメンテーターのフワちゃん(You Tuber芸人)は「ブログで済ませるというのは、傷ついた人への対応というよりも、自分を守ろうとしてるなって...」
志らく「卑怯ですよね」
田村淳「次の選挙でまた受かろうとしている」
議員辞職を求めるSNSの署名が始めっていて、すでに12万件集まっているという。自民党がこのまま除名処分にもしないのならば、問われるのは菅総裁の見識だ。