女優・竹内結子はなぜ自殺したのか。文春、新潮がその謎を追いかけている。文春によれば、119番があったのは午前1時57分。すでに心肺停止状態で午前4時ごろに死亡が確認されたという。遺書などはないそうだ。享年40。2008年に中村獅童と離婚後、俳優の中林大樹(35)と再婚するまでの11年間、よりどころは酒だったという。キッチンドランカー状態で、行きつけのバーでも、夜9時ごろに来て、一人でビールやカクテル、ハイボールを飲んでいたようだ。
1995年、竹内は高校入学直前に原宿でスカウトされ、99年にNHK朝の連続ドラマ『あすか』でヒロインに抜擢されたが、その頃、「私には帰る場所がないから、この世界で頑張りたい」と漏らしていたという。竹内は実母と死別し、父親は再婚した。竹内は自分を「連れ子という荷物」だと思っていたそうだ。そのため若い頃から自立する道を模索していた竹内は、「理由のよく分からない疎外感をいつも抱いていた」ようだ。
スターへの階段を順調に駆け上がっていた竹内は、05年に中村獅童とできちゃった婚をする。しかし、女出入りの激しい夫や姑との折り合いもよくなく、3年後には離婚し、激しい親権の取り合いの末、竹内が勝ち取っている。長男には並々ならぬ愛情を注ぎ、どんなに忙しくても食事は手作りし、一流の家庭教師をつけ、有名私立中学に合格させたという。
三浦春馬が主演したドラマや映画には不思議な因縁がある。芦名星と藤木孝、竹内結子が共演しているのだ
仕事では、20年近く彼女のマネジャーをしていたAとの間にすきま風が吹き始め、新しいマネジャーはAの影響力を排除しようとして、竹内は事務所内で孤立していったそうだ。そんな中、同じ事務所で、これからという年下の俳優・中林と「格差婚」に踏み切り、今年1月下旬に第二子を出産した。そんな竹内をコロナ禍が襲う。
「先行きが見えないことに不安を覚えていたのは確かです」(別の事務所関係者)。だが、経済的に行き詰まっていたのではない。多くのCMをこなし、年収1億円は下らなかったという。夫婦仲も、近所がうらやむほどよかった。次回作も決まり始め、大女優への道が約束されていたのになぜ? 映画『長いお別れ』で共演した山崎努がこう語る。
「不幸な出来事が続いていますが、もしかしたら誰もが追い詰められ、紙一重の状況にあるのかもしれないね」
新潮は三浦春馬が主演したドラマ『ブラッディ・マンデイ』(TBS系)との不思議な因縁を持ち出す。春馬演じる天才ハッカーを護衛する警視庁テロ対策部隊のメンバー役が芦名星、法務大臣役で藤木孝が出演していた。昨年公開された映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』では三浦と竹内が共演している。因縁話のようだが、三浦の死が何らかの形で、他の3人に影響を与えたのではないかと思えなくもない。惜しい俳優・女優を失ってしまった。