日本時間の9月30日(2020年)、米大統領選TV討論会が行われ、トランプ大統領とバイデン氏が初対決し、激しい"罵りあい"を展開した。新型コロナ対策や人種問題など多くの難題を抱える中、現職大統領と、政治キャリア47年のベテランの討論会とは思えない低レベルなものだった。
バイデン氏が「トランプ大統領の言っていることは全部ウソ」と言うと、トランプ大統領は「47年間議員をしてバイデン氏は何もやっていない」と返す。
討論前にバイデン氏が「私は180年前から議員をしている」と言い間違えた揚げ足を取り、トランプ大統領は「寝ぼけたバイデンに薬物検査を要求する」と訴えるありさま。
長野智子「バイデン氏にはオバマ氏にあった"熱"がない」
バイデン氏はトランプ政権の新型コロナ対策を批判し「20万人が死亡し、700万人が感染した。賢くならないと死者はもっと増える」と言い、トランプ大統領は「(バイデンは)ビリで学校を卒業したのに、賢いなんて言葉を私に絶対に使うな」と、まるで子供の喧嘩状態。トランプ大統領がバイデン氏の発言を遮ってしゃべりだす場面が目立ち、司会者がたびたび注意したほどだ。
米メディアはこれを「史上最悪の討論会」と評している。
明治大学政治経済学部の海野素央教授は、この討論会を「60対40でバイデン」と軍配を上げ、その理由として「バイデンがカメラを見て話しかけるスタイルがよかった」と評した。
しかし、小倉智昭キャスターは「討論会だから本当は相手の顔を見て話すべき。気合負けしているからカメラを見て話したのではないか」と指摘。
社会学者の古市憲寿は「バイデンは口うるさい先生みたいに見えた」と感想を述べる。
ずっと大統領選を生で見てきたという元フジテレビアナウンサーで専修大学特任教授の長野智子は「品がない。4年前よりひどかった。大統領選を見てきて、勝利を決めるのは"熱"だと思うが、バイデン氏には"熱"がない。前々回のオバマも、前回のトランプも熱がすごかった。これがどう響くのか。女性副大統領候補を出したときに"熱"を感じたが、盛り上がってこない」と解説。
テレビ討論会は今後、10月15日と22日の2回行われるが、小倉キャスターは「こんなもの、あと2回もやるの?」と、うんざりした様子だった。