本番まであと1カ月余となったアメリカ大統領選は、日本時間のきょう30日(2020年9月)午前10時から、テレビ討論会が行われ、共和党のトランプ大統領(74)と民主党のバイデン候補(77)が直接対決する。
テレビ討論会は、大統領選までに3回開催される。主要な放送局とインターネットで生中継され、国民の3分の1が視聴するといわれている。第1回の討論テーマは、(1)最高裁判事の人選(2)新型コロナウイルス対策(3)人種と暴力など6項目にわたり、それぞれについて15分ずつ両者が討論する。
「両陣営とも作戦があります」と、司会の羽鳥慎一がAP通信などを紹介した。バイデン氏は、トランプ氏がけんかをしかけてきても相手にしないことにしているという。一方、トランプ氏は最近、「バイデン氏は討論会でうまくやるだろう」と評価するコメントをしているのだが、これは期待値を高めておいて、本番で世論を落胆させる戦術だとみられている。
期待値、高いとガッカリ感が強く、低ければ逆に「よくやった」
国際ジャーナリストの小西克哉氏は「大統領選の討論会は、期待値のゲームと言われています。事前の期待値が高ければ『ダメだったよね』となり、期待値が低ければ『結構やったじゃないか』となります。トランプさんは前回、期待値が低いなりに頑張った。今回はバイデンさんの期待値が今のところ低いので、トランプ陣営としてはスイッチを入れさせないためにどうするか、というところです」と解説する。
過去の大統領選では、テレビ討論会の一挙手一投足が形勢逆転につながった例もある。2000年の民主党・ゴア氏と共和党・ブッシュ氏の討論会では、ゴア氏が小ばかにしたようなため息を何度もついたことで国民の反感を買い、支持率が逆転し、ブッシュ氏が大統領選を勝利した。
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「ゴアさんのため息はものすごく印象に残っています。テレビはそのシーンを何度も放送するので、みんなに刷り込まれてしまいます」
小西氏「どこかの国みたいに、ずっと原稿を読みながらしゃべるとか、プロンプターがあるとわかる形でしかしゃべれないリーダーはアメリカではアウトですね」
司会の羽鳥慎一「我々が届かないところでトップが決まるのではなく、テレビ討論会のように見られて決まるのは、(日本と)違うところですね」