人気のTBS系日曜劇場「半沢直樹」の最終話(第10話)が、きのう27日(2020年9月)放送された。裏切られたと思った中野渡頭取(北大路欣也)や敵だった白井亜希子国交相(江口のりこ)らが半沢(堺雅人)の味方に付くどんでん返しで、とうとう進政党の箕部幹事長(柄本明)の巨悪を暴く結末となり、SNSでは「胸がスッキリした」など興奮冷めやらぬ声が多数書き込まれた。
今回のシリーズはコロナの影響で撮影スケジュールが遅れ、第8話が1週延期されるなど異例続きだったが、初回から全話22%超えの記録をつくる高視聴率が続いていた。最終話も20%を超えるのは確実で、「全話20%超え」は、NHK・民放のゴールデン・プライム帯(午後7~11時)を通じて、2014年10月期のテレビ朝日「ドクターX~外科医・大門未知子~」以来、約6年ぶりとなる。
100億8千万円もの不正資金の流れが明らかに
最終話では、一度は裏切ったと思われた中野渡頭取が、実は大和田(香川照之)に箕部の隠し口座を探させていたことを半沢が知る。半沢は頭取と大和田の3人で、不正を嫌う白井国交相を説得し、ついに味方に引き入れる。国税の黒崎(片岡愛之助)、議員秘書の笠松(児嶋一哉)の力も借りてとうとう不正口座をつきとめた半沢は、全国に生中継されている記者会見に乗り込んで、箕部の100億8千万円にのぼる巨額な不正資金の流れを明らかにするのだった。
後日、箕部は逮捕され、銀行側も責任をとって中野渡頭取と大和田が辞任。半沢も辞表を提出するが、ラストは大和田から「その青臭い正義を引っ提げて、沈没寸前の東京中央銀行を立て直してみろっ」と迫られる。
「お前が頭取になるしかねえぞ。......勝負だ半沢わー、受けて立てー」と大声で迫る大和田に、「受けて立ちましょう。だが今度こそ容赦しない。完膚なきまであなたを叩きつぶーす」と半沢。
「あばよ~」と大和田が去っていったあと、しばらく厳しい表情をしていた半沢は最後にフッと笑みを浮かべ、ドラマは幕を閉じた。
最終話を飾る2人のラストシーンの渾身の演技もさることながら、政治家の巨悪を暴く「勧善懲悪」の内容に、SNSでは「面白かった」「胸がスカッとした」などと称賛が相次いだ。
「圧巻の演技に感動」「江口さん、かっこよかった」
「香川照之の圧巻の千両役者ぶり。感動です。頑固な半沢に銀行に残る大義名分を与えるなんぞ、大和田常務はさすが大物。香川照之の渾身のセリフ回しは最早忠臣蔵の討ち入りの口上を思わせる圧巻のド迫力の演技だった。さすが千両役者。受けて立った半沢堺も立派。上戸彩もやっと仕事らしい仕事をした最終回。キャスト皆が良かった。江口のりこさんカッコよかったし、西田さんも良かった。尾上松也も謎の絶叫、完全燃焼でしょう。初回から最終回まで本当に楽しませてもらいました」
「最後は大和田の一人舞台だったね。半沢の負けん気に火を着けて半沢の退職を押し留めた。あそこまで言えば半沢は頭取目指して奮闘するに違いないと。半沢の笑みは、大和田のやつやりやがったな、ってところか?」
「ついに明かされた頭取の思惑。花の白井大臣への憧れ。ふたつの伏線が回収されて、白井大臣が反旗を翻す。盆栽を床へ投げつけた時には、溜飲が下がりました。対箕部のシーンは、原作のモチーフとなったJAL破たん事件を借りて、まさに今現在の政治の闇へ、半沢の正義が切り込むようにも思えました。胸を張る半沢の姿勢が、印象的でした。森山、瀬名、黒崎、谷川。毎週入れ替わりにドラマを盛り上げてくれたヒーローたちに、それぞれの見せ場を作って、頭取、大和田にきっちり花道を作って、半沢で締める。このドラマらしい最終回だったと思います。脚本・演出と、演者と。力量ある集団による、力を惜しまない創作物。これぞエンターティメント、というものを観させてもらいました。面白かったです!」
「花ちゃん登場も久しぶり」「現実はそうはいかないが...」
「白井大臣の松の木盆栽を叩き落とすシーンもスッキリしたわ! もちろん、半沢直樹が幹事長を追い詰めるシーンは、ゾクゾクしました。第1シリーズの伏線の回収もありましたね。久しぶりの花ちゃん登場で、桔梗にリンドウ、良かったよ。全話、ほんとに楽しめました。終わったのが、寂しいです」
「幹事長の側近と国税と銀行のトップを抱き込んでようやく親玉(幹事長)をやっつけたが、死なばもろともってところか...しかし色んな人を説得して味方につける半沢の交渉術には恐れ入る。最後の大和田と半沢のシーンは感動した。大和田も最後には半沢を認めたんだろう。頭取になって銀行を立て直せと。大和田の退職は半沢の父親への謝罪の意味もあったんだろう。みんな正義を貫き通した結果、半沢以外が辞めることになったが、ドラマとは言え見ていて気持ちのいいものだ。現実はそうはいかないんだろうな...自分には半沢みたいな覚悟がないもので...最後まで楽しんで見れて満足だった」 (テレビウォッチ編集部)