文春の「三浦春馬と佐藤健との葛藤12年」によると、大ヒット映画『るろうに剣心』のエンドロールに健の名前が流れた瞬間、客席の春馬が突然立ち上がった。口惜しさをいっぱいに滲ませた表情は、暗い室内でも隠し切れなかった

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   YouTuberという新しい職業がある。YouTubeへ動画を投稿して収入得ている人をそう呼ぶ。中には月に何百万も稼ぐのもいるという。ヒカルというのは、チャンネル登録者数417万人を持つカリスマだそうだ。彼が所属していた「VAZ」という事務所にいるねお(19=登録者数97万人を超える)の母親が、「年間に数千万円の収益が出ても月に30万円ほどしか報酬が渡されないこともある」と主張して、「VAZ」と契約解除するといい出し、事務所側と対立していて泥沼状態だと、フライデーが報じている。

   ヒカルが、「VAZは所属のクリエイターも若いですが、社員もみんな若い。大学生のノリで運営されている面があって、まだまだ未熟なんです」と話している。YouTuberは個人でやっていけるのに、なぜ、事務所に入らなければいけないのか、私には理解不能だ。だが、芸能プロのようなものまでできるというのは、よほど儲かるのだろう。私も「絶対当たらない馬券術」をYouTubeに上げてみようか。誰も来ないだろうな。

  • 三浦春馬さん(2008年撮影)
    三浦春馬さん(2008年撮影)
  • 三浦春馬さん(2008年撮影)

佐藤健は三浦春馬の「お別れ会」に来て、棺で眠る親友で良きライバルだった春馬をしのんだという

   文春に「三浦春馬と佐藤健との葛藤12年」という記事がある。2人が出会ったとき、春馬16歳、健は17歳だったが、春馬はすでに売れっ子で、彼には事務所の車がついていたが、健は電車で現場に来ていた。2人はすぐに意気投合し、「一緒に買い物に行き、洋服の趣味を把握し合うまでになった」(文春)そうだ。健は2012年に主演した映画『るろうに剣心』で一気にスターへと駆け上った。周りのスタッフや仲間を虜にしてしまう健と、一人で役に打ち込む春馬。友だちでありライバルである2人が映画で激突する。

   春馬は『進撃の巨人』実写版、健は『るろうに剣心』の第2作目。2014年7月、東京日比谷にあるビルで健の2作目のマスコミ向け試写会が行われた。エンドロールに健の名前が流れた瞬間、春馬が突然立ち上がったという。「口惜しさをいっぱいに滲ませたようなその表情は、暗い室内でも隠し切れない」(同)。そのまま会場から姿を消したそうだ。

   春馬の映画の興行収入は前後編を合わせて約50億円、健の映画は累計125億円だった。繊細で人一倍責任感の強い春馬は、「僕のせいでヒットできなくて、監督に申し訳ない」と漏らしていたという。7月19日、健は撮影中にもかかわらず、恵比寿の貸会議場のようなところで開かれた、ごく親しい者たちだけの「お別れ会」に来て、棺で眠る親友で良きライバルだった春馬と久々に対面したそうだ。

山口達也
山口達也

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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