東京・世田谷区の住宅で22日(2020年9月)、2人組の男がガスの検針員を装って室内に侵入、80代の夫婦を「殺すぞ」などと脅して両手足を縛り、現金6万円などを奪って逃走した。今、首都圏で高齢者を狙った同様の強盗事件が相次いでいる。
その手口は、まず事前に電話がかかってきて「ガスの点検をするが、家にいるか」と確認することが多い。いわゆるアポ電だが、アンケートや国税調査を装い、家族構成や資金などを聞き出す場合もある。その後、作業着のような服装で偽の身分証を付けた男らが訪問。家に入ると家にいる人の手足を縛り、現金やキャッシュカードを奪って逃走していく。
犯罪ジャーナリストの多田文明さんによると、このような強盗事件が増えている背景には組織的な犯罪グループの存在がある。振り込め詐欺が通用しなくなり、新型コロナ禍で家にいる人が増え空き巣に入るのが難しくなってきた今、在宅中の家に押し入ることが多くなっているという。
絶対に家には入れないで、ガス会社に電話確認を
被害に遭わないようにするには、「怪しい電話には答えない」「検針員らしい人が家に来ても絶対に入れない」「ガス会社に確認する」などの対応が必要だ。東京ガスの場合、屋内点検は事前にハガキなどで告知する。また、点検・修理費用は請求しないそうだ。
多田さんはガス点検強盗が年末に向けて増加する可能性を指摘する。「年越し費用や、お年玉などで家の中にある現金が増える。犯罪グループにもノルマがあり、年末の締めに向かって必死なんです」というのがその理由だ。
デーブ・スペクター(放送プロデューサー)「外国などでも同じことが起きていて、電話には一切出ないというほど警戒する人が増えています」
古市憲寿(社会学者)「お年玉もラインペイやキャッシュレスでやった方がいいんですかね」
司会の小倉智昭「でも、それだと知らないうちに口座からお金抜かれたりもするよ」