昨今、幽霊やら妖怪やらが出るドラマが多いのは、新型コロナという見えない敵に脅かされ続けているからだろうか。9月12日にスタートした「彼女が成仏できない理由」もそんな幽霊のお話だ。
子どもの頃から日本の漫画を愛読し、漫画家になることを夢見てミャンマーから留学してきたと、部屋に住み着いていた幽霊・小鳥遊玲とのラブ!?コメディ。
ミャンマーからの留学生・エーミンを演じるのはミャンマー人の森崎ウィン。だから、ビルマ語のシーンも流暢で完璧(といっても、それが何を言ってるのか、こちらはわからないわけだが......)。2018年公開スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに選ばれ、ハリウッドデビュー。日本企業のミャンマー向けCMにも多数出演、日本とミャンマーを繋ぐタレントであり、今回の役柄はまさに適役。
脚本はギャラクシー奨励賞受賞歴あり、気鋭の桑原亮子
一方、幽霊・小鳥遊玲を演じるのは、モモクロの紫(イメージカラー)高城れに。ドラマで見たことはなかったが、今回、森崎ウィンとのW主演という大役に挑む。
エーミンが漫画を学んでいるのが「名古屋メディアアート専門学校」だったり、バイトするコンビニが「エビフル」でマークがエビフライだとか、ところどころに名古屋が出てくるのが面白い。
脚本の桑原亮子は、自身の震災体験をもとにして書いた「心の傷を癒すということ」で第57回ギャラクシー賞奨励賞、第46回放送文化基金賞テレビドラマ番組最優秀賞を受賞した才能あふれる気鋭の脚本家で、そんな桑原が手掛けたラブコメディ、ただで終わるわけがない、と思いながら見ている。
幽霊の名前・小鳥遊玲(たかなし・れい)を、ことり・ゆうれいと間違えてしまうエミーや、写真を撮っても映らないとか、ほかの人には見えないとか、幽霊あるあるも楽しみつつ、エミーが漫画家志望になったきっかけの作品が「氷の武将」で、それを書いたのが実は小鳥遊玲だったとか、小鳥遊が亡くなった後にも連載が続いているとかミステリーチックな謎も浮上。これからまさに面白くなるところ。「詐欺の子」も「トクサツガガガ」もNHK名古屋制作だった。NHK名古屋にハズレなし!(毎週土曜午後11時30分~)
くろうさぎ