菅義偉は蓄財の名人だ。菅夫妻は横浜駅近くの最高級タワマンに住むが、新婚生活は木造アパート2階8畳2間だった。現在、年間1億円を超える政治資金を集め、自民党屈指の集金力を誇る。金儲けのために政治家になったのかといたくなるほどだ

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文春は日テレが太陽光「偽パネル」で10億円の補助金を受給していたと報じる。事実なら日テレ社長の首が飛ぶスキャンダルだ

   ところで、悪徳の限りを尽くしてきたといってもいいだろう、「オーナー販売預託商法」で7000人もの人間のカネを詐取した容疑で「ジャパンライフ」の山口隆祥(78)が、ようやく逮捕された。この山口、安倍の「桜を見る会」に、首相枠で参加していた。安倍と親しいことを吹聴し、加入者を増やしていたのだ。安倍も、菅も、その責任を国民に説明・謝罪すべきである。

   文春は、日本テレビが太陽光の「偽パネル」で10億円もの補助金を受給していたと報じている。事実であれば、日テレの社長の首が飛ぶスキャンダルである。読む限りは事実で、日本テレビ側は文春に対して、逃げ回っている。簡単に記すと、鹿児島県小国町に日本テレビグループが手がけた「サンワーク小国太陽光発電所」というのがある。

   広大な農地の頭上には約4万7000枚の太陽光パネルが敷設されている、国内最大級の規模だという。初期投資はかかるが、国が発電業者から高値で買い取る「固定価格買い取り制度」があるため、長期的には利益が保証される美味しいビジネスである。日テレは熊本だけで年間約7億円の利益を上げているが、そのうちの約4分の3は、国民が払う電気代に含まれる賦課金である。

   だが、そこに敷設されている太陽光パネルが、経産省に届け出て認可を受けた製品とは違うというのである。大阪府堺市にある建設会社「喜志」の実質の経営者である藤原志朗が、他で使用するパネルの事業が難航し塩漬けになっていたため、これを流用し、しかも、シールを貼り換えたというのだ。

   そのことは、日テレの人間も見ていて、「どういうこと?」と事情を聞いたという。だが、藤原はやってしまった。今回、藤原と一緒に工事を請け負った下請け会社の社長である早津賢が、「日テレグループが大きな利益を上げている太陽光発電所で違法な『偽パネル』が稼働していることを告発しようと決意」し、文春に一部始終を語ったのである。

   早津は、昨年の12月にも事業を担当する日テレHDの部長に、この不正の数々を告発した。だが、「彼は、話をうやむやにし、隠蔽しようとしているかのようでした」(早津)

   この犯罪的なやり方が事実なら、「認定取り消し」になる可能性があると、経産省・資源エネルギー庁の担当者もいっている。違法行為を告発すべきマスメディアが、自ら違法行為を知っていて知らん顔をしたばかりではなく、国民のカネをもらって利益を上げていたというのでは、説明責任どころの話ではない。文春は、「さらなる深い闇があった」として、次号もこの問題を追及するそうだ。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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