14日(2020年9月)から始まった5年に1度の国勢調査。今年で実施100年目という節目を迎えたが、日本各地で調査員への支給品のずさんな管理が問題になっている。
調査員の身分を知らせる腕章が大阪市淀川区の路上で発見されたり、調査員への支給品のバッグがフリマアプリのメルカリに1000円で出品されたりしているからだ。総務省は悪用される恐れがあるとしてメルカリに出品を取り下げるよう要請した。18日時点で、5府県で8件の紛失が届けられている。
事実、国勢調査を語りカード番号を聞き出そうとする詐欺が全国で相次いでおり、消費者庁は注意をよびかけている。インターホンに出ると、国勢調査員を名乗り、本人確認のためカード番号と本人が確認できる書類を用意してくれという。訪問を受けた人はすでに国勢調査票を受け取っていたので、インターホンの画像を録画していると言うと男は逃げていった
未回収分は調査員が勝手に記入して提出
ジャーナリストの多田文明氏「国勢調査では電話はしない。詐欺電話にうっかり答えると、だましやすい人と判断され、その後に還付金詐欺やオレオレ詐欺などの電話がかかってくるようになってしまうので注意が必要」
国勢調査、統計法に基づく5年に1度の重要な調査と位置付けられている。対象は10月1日現在日本国内に住んでいるすべての人で、外国人も含む。
すでに回答を済ませたという新潮社出版部長の中瀬ゆかりは、細かく学歴を問う質問に対し「この質問の意味がわからない。今の時代にこれが必要なのか。また、勤務している企業名を書けという質問にも『ん?』と疑問符が付いた」
小倉智昭キャスター「書いていくうちに、うるせー、バカヤローっていう気持ちになる。私の場合、職業欄に正直に自営業・焼き肉屋と書いたらどうなるの?」
国勢調査員は自治会の推薦などで選ばれるが、コロナ禍でその数が減っている。70万人の調査員を予定していたが、61万人しか確保できなかった。コロナで高齢者が辞退しているからだ。もう1つの問題は未回収について。前回2015年は13.1%が未回収だった。しかし、統計上は100%回収となっているというが、それはなぜか。なんと、調査員が近所の住民から聞き取り調査を行い、調査員が記入して提出しているからだ。
これを聞いた中瀬ゆかりは「キッツいわー」とボソリ。
国勢調査の有識者会議のメンバーでもあるみずほ総研・岡田豊主任研究員は「国勢調査は転機を迎えている」と指摘している。