「クラスター発生」のデマ、被害店主が執念の追求は20人に...結局大元にたどり着けず「みんな親切心だった」ってアリ?

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   東大阪市のカラオケ喫茶で、「クラスターが発生した」というデマが飛び、客の激減で被害を被った店主が、デマの出どころを追求したのだが、なんと20人にもおよび、結局大元にはたどりつけなかった。わかったのは情報が本当かどうかを誰も確かめないことだった。

   東大阪市では今年(2020年)7月、「バーで感染者が出た」と吉村洋文知事が集団感染を公表した。バーの名前は明かさなかった。1カ月後の8月中旬、東大阪市のカラオケ喫茶「ステージ絆」で異変が起きた。客がばったりと来なくなったのだ。

「余計なお世話ですが、親切心のつもりで」

   オーナーの大谷隆記さんは「知事の発表はバーであって、カラオケではなかったのだが、9人が感染したというデマが広がっていた。腹が立つ」という。

   わかったのは、常連客からのメールだった。「絆に行かんほうがええよとか(笑)誹謗中傷やな」とあった。店の存続に関わる。大谷さんは「どこから出た?」と自ら調査を始めた。Aさん、Bさん、Cさんと1人ずつたどった。

   Aさんは「CさんからBさんにメールが来て......」といった具合だ。DさんはEさんから「行かんほうがいいよ」と連絡を受けた。そのEさんは、Fさんからのメールで「9人のクラスター、ご存知ですか?」といわれていた。

   何気ない会話やメールで、「デマの運び屋」になった人は20人を超えたが、結局大元には至らなかった。東大阪で集団感染が出たのは事実。だが、その話が伝わるうちにどこかで、「9人」「ステージ絆で」が加わっていた。

   番組がその1人に聞いた。「余計なお世話ですが、親切心のつもりで」メールを拡散したという。大谷さんからの電話で初めてデマだとわかった。

    総務省が行った「デマの拡散」についての調査で、「したことがある」との答えは、10代で45.4%、40代以上でも3割を超えていた。理由は「流行の話題だったから」「役に立つと思った」

   司会の羽鳥慎一は「良かれと思ってやったということですね」

   吉永みち子(編集者)「話の枝葉が伸びると、『らしいよ』が消えちゃう」

   レギュラーコメンテーターの玉川徹「止めようがない。ただ、メールは証拠が残りますからね。損害賠償にもなりうる。リスクがあることを知っておいたほうがいい」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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