警視庁東王子署の警部補・鴨志田新一(伊東四朗)に、京都府警が制作する時代劇仕立ての映画への出演依頼が舞い込んだ。鴨志田が昨年、エキストラ出演した映画の監督が鴨志田の演技を気に入り、今回は『アポ電強盗』への注意喚起のための映画に悪党の親分役で出てほしいと言ってきたのだ。鴨志田は乗り気ではなかったが、上司の刑事課長・坂下純次(小倉久寛)らに強引に説得され、渋々京都にやって来た。
鴨志田が住む家の大家・姉小路行人の伯母・和子(松金よね子)が住む姉小路家の本家に泊めてもらっていると、そこに別れた妻との間にもうけた娘で警察庁刑事局のエリート警視・岡崎真実(羽田美智子)がやって来た。警察庁を代表して『犯罪発生率0%』の自治体・京都府舞澄村を表彰するためだという。真実はつい先日、交際を申し込んできた男に自分の肩書きを告げたとたんフラれてしまい、その気晴らしも兼ねているらしい。
真美に恋心を抱く京都府警の警部補は、村長を追及するが...
撮影所での鴨志田はノリノリの演技を披露し、スタッフ一同も「わざわざ東京から呼んだかいがあった」と大満足だ。さらに、時代劇で使う面を手がけている能面師・中川光枝(多岐川裕美)と出会い、彼女からいきなり「能面のモデルになってほしい。一生のお願いです」と頼まれた。鴨志田は戸惑いながらも、美しい能面師の頼みを受けることにした。
一方、真実が表彰のため舞澄村を訪れると、出迎えたのは長身でイケメンの若き村長・吉田謙太郎(前川泰之)だった。2人は意気投合していいムードになるが、その矢先、なんと殺人事件が発生する。背広姿の男が渓流にかかった橋から転落して死んでいたのだ。男は大手ゼネコンの営業部部長・前田俊明(松田賢二)だった。その前田は吉田村長のかつての同僚であり、死の直前に吉田村長を呼び出していたことも判明した。
以前の殺人事件で一緒に捜査して以来、真実に思いを寄せている京都府警鴨川東署の警部補・柏木恒(加藤虎ノ介)は、真実に急接近する吉田村長を容疑者として追い詰めようとする。
しかし、村民の人望も厚い吉田村長の「決して殺してなどいません」という言葉を信じた鴨志田と真実は、今回の事件には緑豊かな舞澄村を貫く高速道路建設に絡む汚職事件が関係しているとにらむ。吉田村長の疑惑を晴らすべく捜査を進めると、事件のカギを握る人物として中川光枝が浮上してきた。さらに真実は、犯人は「舞澄村の自然を守ろうとした誰か」と結論づける。その推理が導き出した真犯人とは......。(よる9時放送)
寒山