国内旅行代金の半額相当を支援するGoToトラベルキャンペーンが始まって2カ月、宿泊業界内に格差が広がっている。
神奈川県・箱根で聞くと、1泊2万円以上の高級旅館は、9月は予約でほぼ満室、多くがGoToトラベル利用客だ。客の1人は「こういう時に普段はいけないところで楽しむ」と話す。一方、1万円以下の旅館は「GoToトラベルが始まっても、予約は2、3日に1組入るだけ」、1万円未満では「大きな変化はない」という。どちらの関係者も「安いとお得感がないから、高級旅館に客が流れる」と実状を語る。
「安いとお得感がないから、高級旅館に客が流れる」
全国45の宿泊施設を運営する星野リゾートの星野佳路代表は「格差は間違いなくある。GoToトラベルキャンペーンに合わせて、普段より高級な食材を出すとか、大手代理店任せにせず、近場の客に絞ってアピールするマイクロツーリズムの情報発信とか、宿側が変えていかなければいけない」という。
モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「コロナウイルス感染で弱者が急拡大する中で、宿の予約なんかできない人もいる。GoToキャンペーンはゆがんでいて、上にばかり恩恵がゆく。派手に遊んでいる人たちの経済効果が街に流れるというシグナルが必要です」
司会の加藤浩次「たしかに、旅行という行動さえできない人もいるもの」
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト