フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラー木村花さん(享年22)がSNSで誹謗中傷を受けた後に自ら命を絶った問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は16日(2020年9月)、ホームページ上で審理入りすると発表した。
番組では、花さんが、自分の衣装を誤って破損した同居人男性の帽子をはたくシーンがあり、ネットで激しい非難を受ける原因となった。しかし、花さんの母・響子さん(43)によると、花さんが番組スタッフから「ビンタしたらいいジャン」というヤラセの指示を受けており、指示を裏付ける花さんのLINEメッセージも残っている。
カメラが回った時点で「リアリティー番組」はあり得ない
響子さん(43)は7月15日、過剰な演出によって花さんが凶暴な女性のように描かれたことで誹謗中傷を受け、「人権侵害があった」と訴える申立書をBPOに提出していた。一方、フジテレビ側は7月31日、「制作側が出演者に対して、言動・感情表現、人間関係等について指示、強要したことは確認されなかった」と、ヤラセを否定する内部調査を発表している。
今回のBPOの審議入りの決定に対して、ネット上では「遅すぎる」という怒りの声と、「きちんと調査して、テレビ局の闇にメスを入れてほしい」という期待の声が高まっている。
「過度な演出はおそらくあったでしょうね。この手の番組は言い方悪いが、揉めることの方が人気はでやすい。ただ花さんのような犠牲になる方がいる以上やるべきでないでしょう。視聴率の数字より人命をとるべきでしょう」
「この手の番組は海外の例でも視聴率が好調な代わりに、出演者の自殺やメンタルの問題が出やすいことは明らか。ネットの誹謗中傷から守るチームを作るとか、心理カウンセラーを1対1で付けるとか、何らかの対策をしないと放送を認めるべきではないと思う」