「広く国民の声を聴く政治」だったのか、違和感の声もあがる
告示の前から「菅優勢」の流れができあがっていた今回の総裁選。選挙戦の最中、西田昭二、武井俊輔、國場幸之助、古賀篤ら岸田派の若手は、新たな総裁が派閥の論理で決まっていくことに懸念の声をあげていた。その一方、地方の党員からの支持に期待をしていた石破茂元幹事長は地方で政策を訴えていた。だが、すでに大勢は決まっており、石破元幹事長を支持する自民党員の間では、違和感が広がっていた。「今後は永田町の中だけで無く、広く国民の声を聴く政治をしてほしい」という意見も出ていた。
15日には菅新総裁が党役員人事を行い、菅新総裁を支持した派閥の幹部が、続々と要職に起用された。菅義偉新総裁は番組のインタビューに答え、「政権として国民のために働く内閣を作りたい。(解散総選挙は)任期は1年しかない。その中で信をとうかどうかというのは総理大臣になってから考えること。やはり目の前のコロナをしっかり終息出来るように、経済をしっかり立て直すように、両立させてほしいというのが国民の声じゃないかと思う」と述べた。
同じ日、合流新党「立憲民主党」が結党大会を開催し、150人で船出した。代表に就任した枝野幸男代表は新党として、政権の選択肢を示す姿勢を強調。「国民の声に真っ正面から応える。明日新政権が発足し、久しぶりに臨時国会が開かれる。解散総選挙で論戦から逃げるようなら、それは国民不在の証明」と気炎を上げた。
注目の菅新政権がきょう16日(2020年9月)、発足する。
文・バルバス
*NHKクローズアップ現代+(2020年9月15日放送「自民党総裁選の舞台裏 ~各派閥はどう動いたのか~」)