黒人差別問題でトランプ再選が高まっている。この大統領選、韓流ドラマよりも面白いかもしれない
最後に、11月の大統領選について。バイデン優勢、トランプ敗色濃厚という日本の見方は、どうやら違うようだ。ニューズウイーク日本版で、ビル・パウエルは、新型コロナウイルス蔓延によって、唯一のウリだった好調な経済が打撃を受け、バイデンの支持率はトランプを圧倒していた。警察官による黒人残虐死をきっかけに、警察の友人とみなされたトランプは、ますます支持が落ち込むかと思われた。
だが差別反対の運動が全国に広がると、抗議行動が略奪や警察署への放火を含む暴力的な騒乱となり、市民の間に不安が広がっていった。トランプと彼寄りのメディアFOXニュースなどは、「法と秩序」を盾に激しい民主党批判を繰り出した。また、この問題について語ろうとしないバイデンは、暴力を容認しているように見え始めたという。その結果、トランプとバイデンの差は、「統計的な誤差の範囲内」(パウエル)にまで縮まってきているそうだ。
パウエルではないが、コロナのために、投票の多くが郵送になる可能性もあるが、不正な投票や投票に行けなくする方策など、トランプ陣営は様々な手を考えており、トランプ再選の可能性が高まってきているようだ。この大統領選、韓流ドラマよりも面白いかもしれない。(文中敬称略)