「8割おじさん」西浦博京大教授は相変わらずコロナの恐怖を煽っているが、政府は冷静な説得力あるコロナ対策を示すべきだ
さて、新型コロナウイルスもようやく峠を越えたのではないかと思わせる日々が続いているが、安心してはいけないと檄を飛ばすのは、お馴染み「8割おじさん」こと西浦博京大教授だ。「いまは野球で例えるならば、二回表の新型コロナウイルスの攻撃が終わり、二回裏に入ったところです」と、先はまだまだ遠いと宣うのだ。特に秋以降、インフルエンザが流行すると大変だそうだ。
「コロナとインフルエンザは発熱や咳、呼吸が苦しいなど初期症状が似ている。そのため、二つが同時に流行したら、どちらの初期症状かわからず、コロナ感染者を追跡することが困難になり、流行を制御するのに大きな影響が出ます」
おっしゃることはごもっともだが、そこを何とかするのが専門家ではないのか。コロナの恐怖煽り派の筆頭は、西浦教授と、『モーニングショー』(テレビ朝日系)だとすれば、彼らを批判し、「冷静になれ」といい続けているのが新潮である。小池百合子都知事の強権的ないい方に異を唱え、『モーニングショー』のコメンテーターたちの恐怖を煽って視聴率を稼ぐやり方を批判してきた。
私も同感するところが多いが、今号では、コロナ禍でも、日本の「死者総数」は減っている、心配することはないと報じている。たしかに、8月25日に発表された厚生労働省の「人口動態統計」によれば、今年の6月の死者数は、速報値で昨年同月より1931人減って10万423人である。さらに緊急事態宣言が出されていた5月も、3878人減って10万8380人なのだ。
京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸教授は、
「多くの人が命を落とすような病気ではないと、この数字からも明確にわかります。(中略)総合的にみれば、新型コロナウイルスはインフルエンザより怖くないと思います」
肺炎球菌で亡くなる人が年間約2万人。入浴中に亡くなる人も約2万人いる。それに比べれば、圧倒的に少ないのだから生活を元通りに戻せという新潮の主張は、性急だと思うが、こうした数字を含めて、政府や地方の首長たちが、行きあたりばったりではなく、国民に説得力のあるコロナ対策を今一度、検討、説明すべきだと思う。