安倍政権時代に"権勢"を誇ったNHKの岩田明子記者が干されている。代わりに『ニュースウオッチ9』の"親菅"プロデューサーが権力を握りつつあるという。NHKもよほど暇な会社だな

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『ニュースウオッチ9』の加藤彰浩は菅が番組に出演した時、スタッフに「厳しい質問はしなくていい」と指示した

   ところで、文春と現代が、安倍政権時代に"権勢"を誇っていたNHKの岩田明子が干されていると報じている。文春によれば、8月28日に「安倍辞任」をスクープしたのも岩田だというが、その彼女がテレビから消えたという。安倍の在職日数記録達成について報じた『ニュース7』『ニュースウオッチ9』でも岩田は不在だったし、安倍晋三首相辞任を特集した『NHKスペシャル』にもタッチしていなかったそうだ。

   それは、今年1月に会長に就任した前田晃伸の"天の声"だといわれているという。前田会長が政治部出身の副会長に「強すぎる現場は困るんだ!」といって、岩田外しを示唆したというのである。強すぎる現場という意味がよくわからないが、安倍も替わったのだから、人心一新ということか。現代は、岩田に替わって"親菅"プロデューサーが権力を握りそうだと報じている。NHK『ニュースウオッチ9』のチーフプロデューサーになった加藤彰浩がその人だそうだ。

   加藤は以前、政治部で清和会などを担当していて、同じ東北出身同士で菅と馬があったという。9月2日、出馬表明した菅が同番組に出演した時は、「厳しい質問はしなくていい」とスタッフたちに指示していたそうだ。幹部職員は、「岩田さんは『反菅派』筆頭格の今井尚哉首相補佐官とも親しい。NHK人事にも強い影響力を持つ菅氏が、加藤さんに目をかけ、岩田さん排除を画策する可能性も出てきた」といっている。NHKというのはよほど暇な会社なのだろう。そんなどうでもいいことに力を使っていないで、国民の知る権利に答えろよ。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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